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【数学】つくってあそぼ! ~紙とえんぴつだけで作れる自動計算問題生成マシーン!~

nem12.99xem (5) 155 9 0



数字を使った遊びって、いろいろありますよね。数独や魔方陣、
「与えられた4つの数字を足したり引いたり掛けたり割ったりして10にするゲーム」などなど。

今回は、そんな `数遊び' の一つを ご紹介します。



(準備)


用意するものは、紙とえんぴつだけ。

ここではわかりやすさのため、マス目入りの方眼紙を使いますが、
要領が分かればマス目なしの普通の紙で実践できると思います。


① あなたのお好きなように、以下のように「1」をジグザグにならべてください。
「1」は何個使っても構いません。



ジグザグの取り方は、「1」を、斜め斜め斜めに取っていればOKです:



② ジグザグの一番上の「1」の右上に「」を書き、そこから更に一マス置きに「」を横に並べていきます。
同様に、ジグザグの一番下の「1」の右下に「」を書き、一マス置きに「」を横に並べていきます。



(わかりやすさのために、上下の「」に色をつけてますが、本来はジグザグに並べた「1」と同じ色でOKです。)

さて、準備はこれでおしまいです。

 

(あそび方)


(i) このゲームでは、図の中で、下のように数字が配置されている場所を見つけます:




(ii)  (i) で見つけた配置の赤色の空欄 d に、


青色欄の数字)×(赤色欄の数字)=(緑色欄の数字)×(オレンジ色欄の数字)+1


となるように、数字を書き込みます。つまり、[ × × + 1] ってなるように、「」のマスに
書き込むんです。


このゲームでは、(i), (ii) をひたすら繰り返していきます。

 

ちょっと例を見てみましょう。さっき作った図の中では、下図の青色の枠で囲ったところは、(i)の配置です。




なので、とすれば、

××+1

となって、(ii)の条件[ × × + 1] が成立します。なので、「」のマスに「」を書き込みます:


また、下図の青色の枠で囲ったところも、(i) の配置です。



さっきと同じように、=1、=1、=1なので、とすれば、(ii)の条件[ × × + 1]が
成立するので、空欄に「」を入れます。



次に、下図の青枠を考えてみましょう。これは(i)の配置ですね。



なので、とすれば、

××+1

となって、(ii)の条件[ × × + 1]が成立。なので、「」のマスに「」と入れます。


こんなふうに、「(i) の配置を見つけて、(ii)のルールが成り立つように数字を空欄に入れる」て作業を行うと、
新しい(i) の配置が出てきて、また「(ii)のルールが成り立つように数字を空欄に入れる」て作業を行うと、
新しい(i) の配置が出てきて、と、`計算問題' が次から次へと自動生成されていきます。


どんどん図を埋めていくと、




















となって、最終的に、最初に並べた「1」のジグザグ上下反対にしたものが出てきます:

 

 

これでゲームクリアです。


実は、『最初に並べた「1」のジグザグ上下反対にしたものが出てくる』というのは、たまたまではなく、
最初に「1」をいくつジグザグに並べても、そして、どのようにジグザグに並べても、同じ現象が起こります



試しに、最初に並べる「1」の数を増やしてみましょう:



下図の青枠部分に注目して、



さっきと同じルール [ × × + 1] を考えると、「2」を入れれば良いことになります。



どんどん計算していくと







となって、やっぱり最初に並べた「1」のジグザグを、上下反対にしたものが出てきます。

このようなゲームのことを、考案者である数学者2人(コンウェイさん、コクセターさん)
のお名前をとって、コンウェイ・コクセター フリーズと言います。


フリーズと言うのは、下の写真のような、水平の帯状に、彫刻が施された装飾のことを言います:




(画像は Wikipediaより転載 )


数字が水平の帯状に並んでいるのを、上のようなフリーズに例えたんでしょうね。




それにしても「1」のジグザグをどのようにとっても、最終的に
上下反対にしたものに戻ってくるというのは不思議ですよね。

 

実は、コンウェイ・コクセターフリーズの中で、もう一つ、不思議な現象が起こっています。

何だと思いますか? これに気づいたあなたはすばらしい!





わりきっていこう!



フリーズの中で起こっているもう一つの不思議な現象。それは、分数が一切出てこないことです。


例えば、フリーズの中で次のような配置があったとき、



空欄?に入るべき数字は、19/5 と、分数になってしまいます。


フリーズの規則って、ちょっと式変形すると




というものだったので、空欄 d に入る数字は、基本的には分数になるはずなのですが、
奇跡的に、全ての割り算が割り切ることができて、整数しか出てきていないのです。

「最初のジグザグを上下反対にしたものに戻ってくる」、「分数が出てこない」という二つの性質は、
コンウェイ・コクセターフリーズの大切な性質です。分数を習っていないお子さんも、安心して
遊ぶことができます。

 

バリエーション



先ほどのルールでは、最初に「1」をジグザグに並べました。
では、「1」の代わりに、別の数字を並べてみたらどうなるでしょうか。

↑こんなふうにして、フリーズの計算をスタートしてみます。すると、



と、いきなり分数が出てきます。以下、分数の入った計算が続くのですが、







となって、やっぱり最初に並べた数字のジグザグを、上下反対にしたものが現れます:

 

ルート√ の計算が好きな方は、√2 などを交えてジグザグを作ったりしてみると






と、やっぱり最初のジグザグを反対にしたものが現れます:



このように、最初にジグザグに並べる数字を「1」じゃなくて、他のものに変えると、『整数しか出てこない』
という性質はなくなってしまいますが、『最初のジグザグを反対にしたものに戻る』という性質は保たれます。


(ちなみに、マイナスの数や、虚数をジグザグに並べると、途中で0が出てきて失敗することがあります。)






コンウェイ・コクセターフリーズは、計算問題を自動で次々と生成してくれるマシーンみたいなものです。


最初に並べる数字を変えたり、並べる数字の個数を変えたりすることで、難易度を自由に調整することができます。


お子様の計算の練習問題に!

ご自身で計算問題を解きたい方のために!


一家に一台、いかがでしょうか。紙とえんぴつさえご用意いただければ、無料でご利用いただけます!

 

ということで、今日はここまで!


参考文献
・黒木 玄 先生の pdf ノート


あぺんでぃくす 1



問題をもっとレベルアップさせたい方は、最初に並べるジグザグを、「1」の代わりに, x, y などの文字に
してみましょう。



ルールはさっきと同じです。左×右 = 上×下+1。マスを埋めていきますと

 


となって、やっぱり最初に並べたジグザグを上下反対にしたものが出てきます:



計算の過程で、文字式の計算はもちろん、因数分解を使ったりもするので、なかなかハードな仕事です。
注目すべきは、マス目に現れる分数式において、分母に多項式が現れないこと。つまり、

(x+1)/(x+y)

みたいに、分母が多項式の形になっているものが現れないのです。これは、どんなに文字の数を増やしても
成り立つ性質で、数学者ローランの名前をとって、ローラン現象と呼ばれたりします。


あぺんでぃくす 2


計算のルールを、



に変えてみます。[ × × × × + 1]

で、最初に「1」をジグザグに並べて計算を進めていくと・・・













という感じで、「分数が出てこない」という性質が成り立ちます。最後の方とか、

(514229^2 + 1) ÷ 196418 = 1346269 

と、かなりダイナミックな割り算をしてるんですが、ちゃんと割り切れてます。

ただ、大方予想がつくとおり、最初の「1」のジグザグに戻ってくることはありません
このまま計算を続けても、出てくる数字が莫大になっていくのみなのです。

こんな感じで、計算のルールを変更したとき、どのような場合に「1」のジグザグに戻ってくるのか。
戻ってこない場合、どれくらいのスピードで、出てくる数字が大きくなっていくのか。
そんなことが、現在でも研究されています。



Back Number (昔の記事へのコメント大歓迎です)

 

 

 

 



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Comments from NEMber
kumaco
2019-07-19 03:26:22ID:133782

楽しそうなんですが
頭が理解出来ていない( ̄(エ) ̄||| ヒャァアアアア
でも数学っていいですよね
数学使ったミステリーとか好きです✨

やってみよう
2019-07-11 14:33:50ID:132127

>>やそ::さん

ありがとうございます。
準備 ①で並べる「1」の個数を n とすると、
n×(n+3)÷2 回計算を行うことになるので、
計算したい回数に合わせて並べる個数を調整してくださいませ!

やそ
2019-07-11 07:32:28ID:132047

いやこれ超面白そう。やってみようっと!

やってみよう
2019-07-11 01:09:01ID:132020

>>ゼム🦈ゼム::さん

ありがとうございます!
確かに、左、上、下 に配置されたキャラクターから、新しく右にキャラクターを配置する規則を
作って、それを繰り返していくってのも楽しそうですね。可能性ひろがるぅうう!

ゼム🦈ゼム
2019-07-10 22:46:52ID:131934

・w・おもしろぃいいいいいいいいいいいいいい!数字をキャラクターにも置き換えれて謎解きできそうぅううううううううう!

やってみよう
2019-07-10 22:29:05ID:131925

>>YUTO::さん

サイエンス同好会イベント第1号!これはムネアツです!
期末テストに関しては自費で行おうかなって思ってるんですが、
みんなが参加できるようなわかりやすい企画(で、なおかつ数学と関連してるやつ)
を思いついたら、申請してみようかなと思います (^^) (まだ約束できませんが!w)

YUTO
2019-07-10 22:06:19ID:131910

>>やってみよう::さん
ネムログサイエンス同好会に関連したイベントは、まだ方向性を見出していないので開催していないから、その第1号になれます!!
その場合は基金に申請してもいいイベントだと思っていますw

やってみよう
2019-07-10 21:56:58ID:131909

>>YUTO::さん

それ良いですね!マス目をどこか指定して、ここに入る数字は何になるでしょう?みたいなね。
実は、いつか、「数学期末テスト」みたいなのを開きたいなって思ってますw

YUTO
2019-07-10 20:47:22ID:131874

これをnemlogのイベント化したら、おもしろいですねw
クリアしたら、賞金がもらえるとかw

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「やってみよう」は、プログラマであるタノウエと、数学を勉強しているカナクボが、共同で管理しているアカウントです。
勉強をして身に付けた NEM の知識や数学の話題を、随時投稿していく予定です。
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