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【アニメ】LGBTと多様性について考える『放浪息子』

nem5.50xem (2)
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2019-07-14 10:21:08
【アニメ】LGBTと多様性について考える『放浪息子』

あまり知られてないけど個人的にとてもおすすめできるアニメが『放浪息子』です。
『放浪息子』は志村貴子さんの漫画が原作のアニメで、女の子の服が着たい男の子と男の子の服が着たい女の子の成長の物語です。

 

 

○『放浪息子』の魅力

〈あらすじ〉

女の子になりたい男の子・二鳥修一と、男の子になりたい女の子・高槻よしの。
小学校で出会い、お互いの秘密を知った二人は、共通の悩みを相談し合えるかけがえの無い存在になっていた。そして、季節は春。中学校の入学式を迎え、着慣れない制服の感触に戸惑いながらも、新たな生活に期待と不安を募らせる二人だったが、ツメエリを着て登校してきた女の子・更科千鶴の姿に目を奪われて──。

 

この話が個人的に面白いと思うのは、所謂「トランスジェンダー」の話ではないというところです。主人公の二人は「女の子になりたい」「男の子になりたい」わけですが、一人称は「僕」や「私」であり、恋愛対象も異性です。ただ、自分が「女の子の服を着ないといけない」「男の子の服を着ないといけない」ということに違和感を持っているのです。

 

 

このような違和感は思春期には意外と誰でも訪れるものなのではないかと思います。私自身男性になりたいわけではないですが、女性らしい着飾ったものよりラフな男ものの服の方が気が楽で好んで着ることもあります。

 

 

しかし、『放浪息子』はその違和感にもう一歩踏み込んで、女の子と男の子の違い、男の子が女の子らしくすることの難しさ、恋愛対象などの様々な問題に言及しており、何をもって性を定義づけるのかということについて考えさせられます。

 

 

また、この物語の魅力は色んな人間がいるということを非常に柔らかく描いているところにもあります。

 

例えば主人公の二鳥くんのお姉ちゃんは自分の服を着て女装する二鳥くんを「気持ち悪い」と平気で言います。しかし、それが全くの「悪」として描かれているのかといえばそうではなく、自分の彼氏が最初に好きになった子が女装した弟だったり、自分より女の子の格好が似合うことを自覚していたりという背景がありますし、単純に姉弟同士の口喧嘩のようにも見えます。

 

 

また、二鳥君のことを男の子として好きになるさおりちゃんの自称彼氏(?)は、二鳥君のことを「気持ち悪いおかま野郎」と言いますが、直接そのように罵るわけではなく、あくまで自分の気持ちの中に収めます。

 

 

ここ数年でLGBT(本当はTは分けるべきだと考えますが)の問題が取り上げられるようになり、それについてツイッターなどでやたらと騒ぐ人が増えましたが、その時いつも違和感を抱くのが「多様性を認めろ」といいながら、「LGBTを快く思わない人」の多様性は認めようとしない「多様性強要ユーザー」が非常に多いことです。

 

 

私個人としては同性を好きになる人もいれば、女の子の格好をしたい男の子がいてもいいと思いますし、同時にそれを気持ち悪いと思う人がいても良いと思います。例えばそれを理由に理不尽な評価を下したり、罵ったりと人権侵害をすることは許されません。しかし、そのように思う人間もいるというのは認めるべきでありますし、それこそが「多様性」だと思います。

 

 

しかしどうもここ最近の「多様性強要ユーザー」の皆さんは、「LGBTを気持ち悪いと思うやつは悪」と決めつけ一斉に潰しにかかっているようですね。これは果たして本当に「LGBTのためになっているのか」と疑いたくなります。

 

 

話を戻しますと、この『放浪息子』はそのような所謂「多様性強要ユーザー」に「悪」とされる人たちのことを「悪」として描くのではなく、「こういう考えの人間もいる」と本来の意味の「多様性」で描いているのです。彼らにも彼らなりの想いや背景があり、完璧ではない一人の人間として描いているところに、この作品の魅力が大きく込められていると思います。

 

 

○まとめ

この作品は多くの人間のそれぞれの葛藤を志村貴子さんの柔らかいイラストで優しく描いた大変素晴らしい作品となっています。
アニメの売り上げはあまり良くなかったのですが、とても完成度が高い作品なので見たことがない方は是非ご覧になってください。


公式PV【 https://youtu.be/6e4fSCmhDII 】

Comment
hukushima
hukushima
2019-07-14 23:59:20ID:132835

>>やそ::さん
そうですよね。肯定する必要も否定される必要もなくて、ただ色んな人がいるということを認識することが大事だと思いました。

やそ
やそ
2019-07-14 21:26:10ID:132789

とっても面白そうです。

女の子になりたい。ってのはずーっと思って暮らしてきました。全ての人が肯定される、ではなく、否定されない、でもないけれど、存在は認められる。そんな多様性社会であってほしいですね。

この記事を書いた人
趣味は読書(特に太宰治)、アニメ鑑賞(特に幾原作品)、旅行。 エンジニア見習い。 日々の色々を共有しながらnemのことについても学びたいと思います。