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「信頼時代とブロックチェーン」の話(読書感想)

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インターネットが普及して、容易に人と世界と繋がることができる時代、一番大切なのは「信頼」になると思います。

多くの人と繋がり監視される社会ではうそ、偽り、捏造などは簡単に見抜かれてしまい、世界へ拡散し、消えることはありません。

一度なくした信用、信頼は簡単には取り戻すことはできず、深くその個人の歴史に刻まれます。

 

現在、インターネットを介して行われるサービスのほとんどがレーティングされています。

レーティングを高めるためのサービスもあるということなのでこのレーティング自体はあまり意味のないものかもしれませんが、しかしながら私達の行動と責任に多少の影響を及ぼすことは確かです。

その格付けは個人にも及んでおり、メルカリなど個人取引の際の安全の担保はこうしたレーティングによってされています。

 

昨年、ヤフーはオークションやショッピングでの取り引き実績やカード利用金額のデータを算出した信用スコア「Yahoo!スコア」を企業向けに提供すると発表し話題となりましたが、個人が信用スコアを元に評価され、受験や就職、公共サービスや融資、ローンなど金融サービスなどが信用スコアによって内容が変わることが普通に行われる時代に突入するのです。

もちろん今までもそうしたことはありましたが、その信用の根幹は「お金」であり、単にお金持ちであることだけが「特権」を利用できたのですが、今後はそこに「人なり」も関わってくるのです。

 

この制度が良いか悪いかはその人の立場によって変わるのかもしれませんが、正直者がバカを見る時代が終わるのかもしれません。

 

昨年も少しご紹介した、レイチェル・ボッツマン著「TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか」はデジタル時代の急激に起こっているパラダイムシフトの中で企業・個人が「信頼」を攻略する仕組みを解説する、「信頼時代」攻略の必読書となっています。

 

今回は暗号資産の根幹であるブロックチェーンが信頼時代に果たす役割について本書を参照しながら、考えてみたいと思います。

 

ブロックチェーンの誕生

 

ここnemlogで私の浅い知識を元に今更ブロックチェーンについて語っても、誰の得にもなりませんが、ビットコインの誕生は「信頼」と切り離して語ることはできません。

2008年10月、サトシ・ナカモトは「ビットコイン−ピア・ツー・ピアの電子通貨システム」という論文で既存の不換紙幣の欠陥を描いていました。

 

既存通貨の根本的な問題は、このシステムを機能させるには大きな信頼が必要とされる点である。中央銀行への信頼がなければ通貨は紙くずになるが、不換紙幣の歴史は信頼の侵害に満ちている。

 

サトシ・ナカモトが指摘するようにこの中央集権による権益、権力の差、国家の信頼が紙幣(紙切れ)に信用を与え、紙幣の価値を担保していますが、このようなシステムでは富は権力へと集中し、富の格差は広がる一方で、生まれた場所や環境によって大きな差が生まれてしまいます。

それを引っくり返そうとするには「戦うこと」が必要となるため、世界の歴史から暴力はなくなることはありません。

 

そうした問題を解決すべく既存の権益や権力を破壊しようと生まれたのがビットコインであり、ブロックチェーンという新しいシステムでした。

簡単にブロックチェーンを説明すると、ブロックチェーンは莫大な数の人達が共有する巨大な電子台帳で、インターネットに繋がる人なら誰でも参加することができます。

2009年にビットコインがはじまって以来、すべての取引が日時とともに記録されており、同じ電子台帳が世界中の5500台を超えるコンピューターにコピーされています。この発想によって中央集権による価値や信用の担保を必要とせず、データの偽造や消去をすることができないブロックチェーンという電子台帳が誕生しました。

 

ブロックチェーンの機能と信頼の関係

 

このブロックチェーンの「誰かが何を所有するかについて恒久的な記録が作られ、ひとりの人や組織がそれを支配することも上書きすることもできず、人々が記述の正解性についてお互いを信頼し合意できる」という機能こそ、この「信頼時代」にとても重要になるのです。

さらには、権力から力を奪い取り、すべてをひっくり返すことが可能にもなるのです。

 

ブロックチェーンは世界中の金融と社会と政治のシステムを再構築する強力なツールであり、芸術品から宝石、日用品に至るまで何でも個人間で直接的に売買することを可能とし、権力を分散して、そこに必要な仲介者や手数料、場所代すべてを排除して、価値を生み出す人々の手に力を与える可能性を秘めているのです。

 

現在の暗号通貨市場は様々な思想と思惑が入り乱れており、複雑化していますが、根底にあるこのブロックチェーン技術こそが暗号通貨そのものよりはるかに重要であり、この誰でも容易に繋がれるようになった世の中で個人間、企業間取引するための「信頼の担保」となるブロックチェーン技術を使ったサービスは今後も増え続けていくことが容易に想像することができ、その期待値が暗号通貨の暴騰を招くこととなりました。

暗号通貨に投資する人々の期待値が「技術」から「儲け」へシフトしていく中で起きたハッキング事件から人々の不安も増加して、暴落を招くことにもなりましたが、ブロックチェーン技術自体への信頼は揺らぐことはなく、「技術」への期待と理解がある人たちは今もなお、投資を続けています。

 

ブロックチェーンへの参加者は伝統的な意味で人を信用しなくてもよくなりましたが、そのシステム自体を信頼しなくはならないし、ほとんどの人はシステムの仕組みをきちんと理解できるだけの技術的な知識はないので、暗号プロトコルを作り出し維持しているプログラマーや採掘者や起業家や専門家を信じなくてはなりません。

つまり、多くの人の「信頼」を勝ち取ったチェーンが今後「生き残る」のです。

 

開発しやすく、様々なサービスに簡単に応用できて、シンプルに使うことができて、そして情報のやりとりの量と処理速度が高いこと、透明性があること、そして何よりもその開発に携わる人やエンジニア、プログラマー、採掘者や専門家、アーリーアダプターであるユーザーが信頼できるということが重要になります。

 

さて、この条件を満たす暗号資産、ブロックチェーンは何でしょうか?

 

インターネットの生まれた経緯と辿ってきた歴史を見れば、暗号通貨はまだインターネットの1993年であると本書ではいいます。

つまり、後10年もすれば人々は暗号通貨が何たるかを理解して、世の中に当たり前にあるものとして受け入れられたとき、私たちの「信頼」と「価値」が一変することになるでしょう。

 

そのときに私たちの生活を支えるブロックチェーンがどのようなものなのか、私もいち、ユーザーとして「信頼」を軸に見極めていきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

参考・紹介図書①

 

レイチェル・ボッツマン著

「TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか」

 

 

 

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