Wait a moment...

【NEM Seminar 2020】質疑補足

nem1016xem (13)
1560
2
2020-01-20 06:16:59
【NEM Seminar 2020】質疑補足

昨日は、東京で開催されたNEM_Seminar 2020に参加させていただきました。岐阜からのオンライン参加でしたが、コインポストさんがリアルタイムで中継してくださって、大変有意義な時間を過ごすことができました。運営の皆様、登壇の皆様、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

 

後で中継を見直してみたところ、質問がちょっと聞き取れないところが多くて答えになっていないところがあったので、ここで補足しておきたいと思います。

 

質問1:ブロックチェーン以前には、研究現場のトレーサビリティーはどうなっていたのでしょうか?

 

研究現場では、主に手書きの実験ノートに記録するというのが主流です。今でもそうです。ほとんどの場合、実験者がチューブにマジックでラベルを書いて、自分のノートに記録するのみですから、ミスも多く発生します。アメリカの細胞バンクの調査では、かなりの数の細胞の取り違えが起きていて、論文に発表された細胞がまったく別なものだったということも珍しくはありません。ですので、細胞の取り違えがないことを確認するために、科捜研の検査のようなことをして、わざわざ遺伝子配列を調べることもあります。

 

質問2:バーコードの貼り間違いが起きたり、それを付けることそのものが手間となってしまっていることはないでしょうか?

 

研究現場でバーコードが普及しているかというと、これまではほとんど利用されていませんでした。専用のバーコードリーダーは高価(一台25万円〜40万円)で、データベースソフトも未熟で、登録や検索がお世辞にもやりやすいとは言えなかったからです。しかし、治療に使われるとなると取り違えは絶対に起きてはならないので、今後研究現場でも使わざるを得ない。そのために、安価になってきているバーコードリーダーを使って新たな管理システムを構築し、研究現場でも使えるようなものに仕上げていくというのが、とても大切だと思うようになりました。また、今後普及していくロボット化、AI化においては、バーコードはむしろとても使いやすいものですから、その意味でも利用が拡大していく可能性が高いと思います。

 

質問3:再生医療にとってShizuiNetは重要なポジションを得ることができますか

 

現在、再生医療学会や経済産業省などで、細胞流通方法の標準化の議論がなされているところです。大手の医薬品流通企業が中心となって独自のソフトやデータベースを構築しており、かなり使いやすいものにはなっていると思いますが、やはり高コストです。それに対して、ShizuiNetの特徴は、非常に低コストであり、仕組みもオープンなところにあります。そして、実際の研究現場で培われたノウハウなども詰まっており、これらの大規模システムのコストダウンにも貢献できるのではないかと思っています。まずは、われわれが小規模であってもPoCをやって、説得力をもった形でアピールしていくことが大切かなと思います。

 

質問4:ShizuiNetがうまくいった場合、他の再生医療分野でも広く使われていく可能性は?

 

先の質問のように、まず歯髄細胞分野でPoCが得られるかどうかにかかっていると思います。再生医療全体における歯髄細胞の存在感はまだまだ小さく、iPS細胞や間葉系幹細胞といったメジャー(といっても小さなものですが)と比べて注目度は低いです。ですので、まずは歯髄細胞の知名度を上げることが必要と思っており、中部地方を中心に「しずいイノベーション研究会」というものを立ち上げております。京都大学や名古屋大学から講師をお呼びして講演をしていただいたり、再生医療関連の事業をやっている企業に実例を紹介していただいたりして、人を集めようとしています。歯髄細胞分野での利用実績が増えていけば、iPS細胞や間葉系幹細胞など他の再生医療分野へも広がっていくと思います。

 

質問5:なぜNEMに?

 

最初に検討したのはイーサリアムでした。しかし、実際の開発を行うには、専門の企業と組んで開発を任せることになり、またコスト的にも安くはなく、なかなか踏み出せずにいました。その時、NEM Technical Referenceと出会い、nemlogのみなさんと一緒に読み込んで行くうちに、その投げネムで十分に個人開発ができることに気づきました。そして、機能的には限定されますが、メッセージとモザイクというアクセサリーが非常によく考えられたものであることも分かりました。要は、こちらの仕様をNEMに合わせれば良いのです。コンセンサスアルゴリズムもPoWではなく、PoSベースの仕組みを取り入れており、高価なグラフィックボードやASICは必要ありません。つまり、個人開発が可能なレベルで高度な機能が使え、ベンチャーが取り掛かるには最適なように思えたので、NEMに決めました。それ以外のブロックチェーンについては、実はちゃんと検討したことがありません(笑)。

 

皆さんお疲れ様でした。これからもよろしくお願いいたします。

 

目指せ北海道

Comment
目指せ北海道
目指せ北海道
2020-01-20 08:20:46ID:169904

>>nem好き::さん

今思うと、ありあわせでブロックチェーン活用ができちゃったのが良かったと思います。ディベロッパーの助けがなくてもプロトタイプができて、そこから専門家を巻き込んで発展させていくという形は、ベンチャーの王道という感じです。ツィッターでも出てましたが、細胞製造は農業みたいなところがあるので、農産物のトレーサビリティーにも使えるのではないかと、県庁の人と話したりしてます。

nem好き
nem好き
2020-01-20 08:13:54ID:169902

お疲れさまでした、今年はもっと発展しそうですね、いろいろな研究の情報管理の基本としても使いやすそうに思います。貴重な情報ありがとうございます。

この記事を書いた人
趣味はバイクでツーリングしながら、ブログを書いたり、動画配信したりすること。 ラズパイをバイクに積載して、ボタン一つでYoutubeライブ配信できるシステムを作りました。それを発展させて、XEMの価格を常時監視、取引するボットも作って活用してます。子供の頃から技術書を読むのが好きなので、NEMの技術文書を訳したりもしています。 本業は再生医療研究者です。歯の神経の中にいる「歯髄(しずい)細胞」を活用して新しい医療を開拓するために、しずい細胞プロジェクトを推進中。細胞の流通(トレーサビリティー)管理にNEMを使おうと思ってmijin v.2を導入したんですが、コロナで実用化が全然進みません。管理システムの名称は「ShizuiNet」。