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無敵の人と罰則 -罰の相対的過小評価、ブロックチェーン-

13.43
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先日、深夜の公道を時速約300kmで走行してしょっ引かれた人が現れたらしい。

 

昼のワイドショーで一大ニュースとして取り上げられており、丁度お茶を啜りながら呑気に眺めていたのだが、そこでは案の定偉い先生方が『常識的に考えて有り得ない、理性がない』とか、『明らかに法律違反なのになぜこんなことをするのか』とか、『こういう人の違法行為を防ぐためには制度上どうアプローチすれば良いのか』とか、表面的なことをダラダラとコメントしており、答えもなかなか示されなかったので次第にイライラしてきた。

 

茶の間は根本的に自分たちと違う存在である異常者を好むので、当人の人格の問題に終始焦点が当てられていたが、この暴走男の人格はそこまで破綻したものではないと思われるので穿った推測であったように思われる。

 

まどろっこしいので、おそらくこれと思われる結論を端的に述べると

『罰の威力が色々な意味で低い』

から彼は暴走したのである。

 

 

 

ここで、タバコについて考える。

 

20歳以上であれば喫煙は違法行為でないものの、もはや道徳的に違反行為のようなものなのだろう。

昨今、お上はタバコ呑みのその習慣を根絶やしにしたくてたまらないらしい。

 

ちなみに、私も喫煙者であり、肺気腫のリスクやら社会的信用の喪失やら、未来の罰をこれ見よがしに呈示されては禁煙しろと迫られる場面が多くて耳が痛い。

 

 

俯瞰した目線から、私がほぼ確実にタバコを吸うという行為を選択しなくなるであろう条件を一つ挙げるとするなら、例えば、吸った瞬間に即時かつ確実に肺が爆発四散して悶え苦しんで死ぬと言われたなら...おそらく吸わなくなると思われる。

 

 

しかし、実際には爆発もしないし、将来的に健康被害が起きようが死ぬほど苦しむかどうかわからないし、加えて、そもそも本当にそうなるかどうかも不透明なのでこれを書いている途中も吸っている。

 

 

というわけで、罰の威力を決定する主な要因について纏めると

 

①.罰自体の強度

(マチ針で刺される<ナイフで刺される)

 

②.時間的遅延

(1年後に殴られる<今すぐ殴られる)

 

③.確率

(10%の確率で死ぬ<100%の確率で死ぬ)

 

以上の①~③となるだろう。

 

なお、②と③について、以前書いた記事

https://nemlog.nem.social/blog/6271

では、報酬の価値に対する時間的遅延や不確実性を取り上げたが、同様の要因による影響が罰においても存在するのである。

(なお、罰の場合は確実に与えられた方が威力は高まる。)

 

これらの要因に基づいて罰の威力を最大化させれば、おそらくルール違反は『著しく減少する』とは思われる。

 

先述の暴走男くらいであれば、スピード違反が即刻検挙されて厳罰が下されることが確実になれば抑止できるだろう。

 

しかしなぜ、0にならないのか?

 

これは簡単な話で

『罰の威力がいかに大きかろうとルール違反する人がいる』

からである。

 

ここがタイトルにもある無敵の人と普通の人の間にある溝であろう。

 

特定の違反行為を行ったことに随伴する利益(金銭に限らず、思想信条などに基づく心理的な利益も含む)があまりに大きすぎる場合、現世におけるあらゆる罰則が相対的に過小評価されるため通用しない人間は一定数存在する。

 

さて、無敵の人とは、著しく貧乏だとか社会的地位が低いといった状況下で自暴自棄に陥って後は野となれ山となれと公序良俗や社会正義に反する振る舞いをする人を指す概念である。

 

 

死よりも重い罰は存在しないという前提で考えると、死刑になろうと通り魔などを行うという選択をしている時点でもはやあらゆる罰則が通用しない別世界の人間であると言えなくもない。

 

(無論、現行の死刑制度が楽に死ねる生温いものであるからまだ効力が弱い、より威力を強めることはできると考えれば、例えば、拷問や強制労働で長時間苦役や痛みを与えられるがなかなか死ねないような形に厳罰化してみるだとか、そういうアプローチがないわけでもないが、現実的に無理だろうし、そもそもそれでも真の無敵の人による犯行が0にはならないだろう。)

 

ところで、無敵の人問題において、先ほどの定義に沿うならば『自分』の価値が堕ちるところまで堕ちた人でないと凶行には走らないように見えるのだが、果たしてそうだろうか?

 

確かに、持たざる者の方が無敵化しやすいのだろうし、そういう意味では無敵化の要因として資産、社会的地位、人間関係などの格差を挙げてもよいのだが、しかしながら、持てる者であっても罰が効かなくなり無敵化することもあり得るだろう。

 

なぜなら、無敵化自体が

『失うことなど取るに足りない』

という状態に陥ることであり、故に、今現在どれだけ多くのものを背負っていようが、それらを超越する大きな目的さえ現れればたちまち塵芥と化すからである。

 

また、物事の重大さについて本質的に被害の総量に還元して考えるのはあまり好きではないのだが、便宜上その土俵で比較するのであれば、小者の無敵化はネット上で殺害予告をするとか、あるいはせいぜい少人数を殺傷するとか(問題が無いとは言ってない)、その程度であるのに対して、持てる者が無敵化してしまった場合、社会的な被害は甚大なものとなるだろう。

 

『博士の異常な愛情』という映画をご存知だろうか?

 

その中で、米空軍の指揮官であるリッパー准将という『社会的地位』のある人物が、薄汚い共産主義者を根絶やしにするべく、上層部による制止を無視し、また、全面戦争のリスクをも顧みずに独断でソ連に対して核攻撃を行おうとしたのである。

 

なお、このようなあまりにも常軌を逸した無敵化が往々にしてよく起こるものだとは言わないが

 

『映画だからそんな人が登場するけど、現実では皆がまともな損得勘定に基づいて合理的に動けるからこんなケースはありえない』

 

と言い切る勇気もこれまた無い。

 

 

パブリック型のブロックチェーンというものも、参加者皆が現実的な観点に基づいた損得勘定ができる前提で構築されており、参加者は『自己利益』を毀損する行為は行わないし、攻撃が生じる場面というものも、ソロバンを弾いて計算したその利益が『攻撃に要するコストや法的罰則への脅威』と比較して一般論的な意味で上回った場合に限ると考えられているが

 

技術も財力もあり、かつ、もはや現実的な利益など意に介さずひたすらチェーンの価値を破壊したい衝動に駆られて動く最強の無敵の人を想定すると恐ろしくはないだろうか?...

 

まず無いとは思うが、無いとは思わない。


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無敵の人 相対的 ブロックチェーン 仮想通貨 心理学 行動経済学
2018-11-08 18:52:41
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物愚者 コメント日時:2018-11-10 17:23:49ID:7355

>>狂タヌ尊::氏
どうもです!

まぁ、とはいえ過度にそればかり怖れたり非難したりするのは自室で隕石に怯え続けるような話ですが...

POWはPOWでマイニング機材を生贄にするだけで儲からなくなるタイミングで攻撃できるという意味でソロバン的なリスクは高いと思いますが、結局どっちでも、乱心した大富豪が全財産つぎ込んでかき乱されたら終わりですね()


狂タヌ尊 コメント日時:2018-11-10 02:19:13ID:7178

最後の一文、これは常々思ってます。PoS型(PoIを含む)の通貨などは自分の財産を犠牲にしてまで無茶するヤツいねーだろ、って話なのですが、それを度外視して攻撃された場合極度に弱い気がします。やられた場合は総発行枚数を増やすぐらいしか反撃できないんですよね。
例のCC盗難事件の際は総発行量の5%程度が盗まれましたが、もし60%盗まれていたら死んでいたような気がします。一か所に集めないでほしい。

PoW型はその辺りは攻撃前提で動いているので多少は強そうではありますが。。。
投票系のDAO(仕組みとしての)なんかもそうですが、善意や合理性などが前提にあるものは、無敵の人には極度に弱い気がしています。事件が起きるならそういう無敵の人による犯行ですね。


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