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前期量子論について(物理学の歴史5:現代編2) -量子力学始まりの経緯-
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YUTO 2018-11-10 21:02:03

前期量子論とは、プランクが量子仮説を打ち出してから、シュレディンガーやハイゼンベルグが量子力学の構築に到るまでの理論をいいます。これから、そのことについて説明します。


 


量子論の誕生


1900年初頭、離散的なエネルギー準位の導入によってさまざまな特異な実験結果を説明しました。 


プランクは、黒体放射のスペクトルを説明するために、量子仮説を打ち立てました。


ここで、黒体とは、外部から入射する電磁波を全ての波長に渡って完全に吸収できる理想的な物体であり、黒体放射とは黒体から熱が電磁波として運搬される現象(熱放射)です。


スペクトルとは「混ざり合ったものを分ける」という意味であり、ある光の中に、どんな波長の光があり、それはどんな強さになっているのかを調べることを「光の波長を調べる」と言います。


黒体放射のスペクトルは調べてみると以下のようになっていて、19世紀当時の理論的な予想とは違っていました。



(佐藤 勝彦「量子論を楽しむ本 」より図を引用しました。)


そこでプランクの量子仮説では、hを適当な定数(プランク定数)、νを電磁波の振動数とすると、電磁波のエネルギーは の整数倍になっていると仮定し、光のエネルギーはhν単位の要素だとしました。これをプランクの量子仮説と言います。そうすると、黒体放射のスペクトルをできました。


さらに、アインシュタインはプランクの仮説を改良して、光量子仮説を唱えました。それは、光はプランク定数hと振動数νをかけたエネルギーhνを持つ粒子として考えればいいというものでした。その粒子を光量子と言います。すると、光電効果を説明することができ、また光の粒子性と波動性の二重性も説明できました。


こうして、量子論の基礎が作られました。


 


原子模型について


20世紀初頭、原子はどのような構造なのかが研究されました。始めに提唱されたのが、J.J.トムソンのブドウパン模型であります。一方、長岡半太郎は正に荷電した原子核のまわりを電子が回っているとする、惑星系に似た原子モデル(土星モデル)を考案しました。


1911年、ラザフォードは実験によって原子核の存在を確認し(ラザフォード散乱)、土星モデルを確立しました。


 


しかし、土星モデルには問題がありました。当時の電磁気学では、荷電粒子が回転運動をすると、電磁波を放出してエネルギーを失い、やがて原子核に落ち込むということでした。


その仕組みは、電磁波の発生メカニズムにあります。荷電粒子が運動することは、電場が変化していることと同じであり、すると磁場が発生します。ファラデーの法則より今度は電場が発生し、また磁場が発生するということを繰り返していき、電場と磁場が交互に絡み合いながら荷電粒子より電磁波が放出されます。こうして荷電粒子から運動エネルギーが失われていき、原子核に落ち込むというわけです。(アンペールの法則とファラデーの法則から来ています)


 


にも関わらず、なぜ原子は安定しているのかが議論になりました。


 


そこで1913年、ボーアは「量子条件」と「振動数条件」という仮説を打ち立て、独自の原子モデルを発表しました。それをボーアの原子模型と言います。量子条件とは「特定の軌道しか取らず、また電磁波を放出しない」というものです。


具体的には、電子の質量をm、電子の速度をv、電子の軌道半径をr、プランク定数をh、nを任意の整数とすると


mvr = nh/2π


というものです


振動数条件とは、「原子内の電子が別の軌道へ移る時、光子を吸収するか放出する」というものです。



(北村 俊樹 「カラー図解でわかる高校物理超入門 (サイエンス・アイ新書)」より図を引用しました。)


しかし、このモデルには欠点がありました。


1つ目はこの時の量子条件について物理学的意味がわからないものであり、なぜ電磁波は放出しないのかを説明しませんでした。


2つ目はボーアの原子模型は水素原子のみしか当てはまらないものでした。


 


そこで1924年、ド・ブロイは光だけでなく電子や他の物質も波動性を持つということを唱えました。


それは、光量子仮説より得られた式


 光子の運動量p =h/λ  (hはプランク定数、λは光子の波長)


を電子に応用しました。


運動量がmvである電子は波長がλである波とみなすことで、その波長は


 λ = h / mv


というものです。この時の波を電子波と言います。これをボーアの量子条件の式


mvr=nh/2π (n=1,2,3…) 


に代入すると、原子核の周辺にいる電子の波が消えずに残るには、電子波の波長の整数倍が軌道一周の長さになります。


すると、量子条件を以下のようにまとめられます。



(北村 俊樹 「カラー図解でわかる高校物理超入門 (サイエンス・アイ新書)」より図を引用しました。)


同様に、それはすべての物質にも当てはまると考え、その波を物質波と言います。


つまり、電子や物質にも、光と同じように粒子性と波動性の2面性を持つというものです。


その2面性を持つ粒子を量子と言います。


波は、「ある一点に存在する」というものではなく、広がりを持って存在しますので、原子の中の電子波もまた、原子核の周辺に広がりを持って存在します。そのことを持ちると、原子核の周辺にいる電子の波が消えずに残るには、電子波の波長の整数倍が軌道一周の長さになります。つまり、先ほど言ったことと同じになります。


 


こうして、ボーアの仮説を証明したと同時に、水素原子のスペクトルに関しても説明することができました。


 


この理論に触発されて、シュレディンガーは、流体中の波や電磁波の場合と同じように、物質波にも波動方程式があると考え、試行錯誤の末、以下のシュレディンガー方程式を導きました。(愛人と旅行中に思いついたようだ)



こうして1926年、波動力学が創始されました。


 


一方、ハイゼンベルグも独自の視点で量子論にアプローチし、行列力学を構築しました。


その後、シュレディンガーは、行列力学も波動力学も数学的には同じものであることを導きました。


こうして量子力学が創始されました。


 


まとめ



 


参考文献 


安孫子 誠也「はじめて読む物理学の歴史 」ベレ出版 (2013/11/1)


佐藤 勝彦「量子論を楽しむ本 」PHP研究所 (2000/3/31)


数研出版編集部 「もういちど読む数研の高校物理〈第2巻〉 」数研出版 (2012/12/1)


北村 俊樹 「カラー図解でわかる高校物理超入門 (サイエンス・アイ新書)


」SBクリエイティブ (2014/2/14)

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