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宇宙の歴史について(相対論と宇宙論2)

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ここでは、宇宙の歴史について述べます。

 

 

ビッグバン宇宙論とは、宇宙の初期は極めて高温かつ高密度の状態でしたが、それが大きく膨張する事で、今の宇宙が作られたという理論であります。

ここでは、インフレーションという爆発的膨張の後から、宇宙の晴れ上がりまでを述べます。

 

宇宙が生まれて間もない頃の話

宇宙は「特異点」と言われるものから生まれ、それからインフレーションという宇宙の巨大な膨張が起き、その後はずっと膨張をし、宇宙が冷却し続けました。

この頃は宇宙は火の玉でありました。つまり、クォークやグルオンという粒子が暴れまわっている状態であり、あらゆる粒子が釣り合いの状態を保っていました。これをクォーク・グルオン・プラズマといいます。

宇宙の温度が約1000兆度に冷却すると、クォークやレプトンは質量を持つようになります。

1万分の1秒後、宇宙の膨張により温度が低下し、それから自由に動いていたクォークが束縛される事により陽子・中性子といったバリオンやパイ中間子などのメソンを作ります。しかし宇宙が超高密度状態だったために、電子と陽子が圧力で結合し、中性子だらけの宇宙でした。

それから、宇宙の膨張により、超高密度状態から抜け出すと、圧力が小さくなり、そしてベータ崩壊により、陽子と電子とニュートリノが生まれました。

初めは、また弱い相互作用による反応により、陽子と中性子の数が釣り合っていたが、やがて陽子の数が多くなってきました。

その後、単体の陽子と中性子が核力によって結合し始めるようになり、重水素が作られました。しかし、光子によって重水素は分解され、単体の陽子と中性子に戻るという現象が起き、また重水素を合成し、それからなかなか反応が進まないという現象が起きました。(重水素のボトルネック)

理由は、この頃、暴れまわっていて高いエネルギーを持つ光子が水素の中の陽子と中性子を結びつけるのに必要なエネルギー(結合エネルギー)より高かったため、せっかく陽子と中性子が結びついたのに、光子がそれを切ってしまうからであります。

宇宙誕生から3分後になると、宇宙の膨張により温度が下がり、光子がおとなしくなる事で、光子のエネルギーは重水素の結合エネルギーより低くなることで重水素は光子から分解をされにくくなり、重水素が多く作られました。

それから三重水素やヘリウム3が生成され、それからヘリウム4が生成されました。しかし、ヘリウム4より重い元素はほとんど作られませんでした。

こうして、初期宇宙での最初の元素合成が終わり、原子核のみの元素ができました。


この結果、約75%の水素1、約25%のヘリウム4、約0.01%の水素2と少量のリチウムとベリリウムが生成されました。

 

宇宙の晴れ上がり後の世界について

①宇宙マイクロ波背景放射とゆらぎ
宇宙が誕生して30万年後、それまで温度が高いために自由に動き回れた電子が原子核に捕まえられ、原子を構成するようになり、その原子の分布は宇宙全体で見ると濃淡がありました。
その濃淡が星や銀河を作る源になりました。

そこから先は、②や③の項目で述べます。

その時、光は電子にぶつからずに直進するようになりました。これを「宇宙の晴れ上がり」といいます。

この頃の光を宇宙マイクロ波背景放射と言われ、マイクロ波として宇宙全体に漂っています。

宇宙全体の原子の分布に濃淡があるということは、宇宙マイクロ背景放射の温度の分布が一様ではなく、むらが存在するということを意味しています。このことをゆらぎがあるといいます。

実際、NASAが打ち上げた宇宙背景放射探査衛星COBEによる観測によると、宇宙背景放射に約10万分の1の温度のゆらぎが見られることを検出しました。
COBEの後継として打ち上げられたウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機WMAPでは、以下の分布を作成し、ゆらぎを図示しています。

 

 



②星の形成と重元素合成
宇宙全体の原子の分布には濃淡があったことから、濃いところでは重力によって引き寄せられ、塊を作ります。

そしてその塊が高密度になりますと、核融合反応が起きてより重い元素(炭素、酸素、窒素から鉄まで)が作られ、星が出来始めます。

そして星の内部で核融合反応が起き続けます。

星が核融合反応を起こせなくなると、太陽と同じか軽い星は、白色矮星となって静かに消えていきます。一方、太陽よりはるかに重い星は、物質が重力で中心に押しつぶされます。その時、電子は原子核に落ち込み、中性子とニュートリノが多く作られ、放出します。

これを超新星爆発といい、その時、中性子を多く含んだ鉄より重い元素が作られます。この時、ブラックホールや中性子星が残る場合があります。

地球には鉄よりも重い元素が多く存在していることから、太陽系は一度超新星爆発を起こした天体であると言えます。

この一連の重い元素が作られたプロセスを重元素合成といいます。



③宇宙の構造形成と暗黒物質
星が多数できると、その星同士の重力により銀河を作り、銀河同士が宇宙の大規模構造を形成していきます。

シミュレーションによると、現在の宇宙の大規模構造が出来上がるには、暗黒物質(ダークマター)が存在しなければならないとされています。

 


暗黒物質の正体は何か、そしてその物質が本当に存在するのかはまだわかっていません。
また暗黒物質は素粒子物理学の標準理論に当てはまらない存在ですので、標準理論を拡張した理論が求められていて、現在も研究中の分野でもあります。

 

参考資料
佐藤 勝彦「「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 」PHP研究所 (1998/12/1)
真貝 寿明「ブラックホール・膨張宇宙・重力波~一般相対性理論の100年と展開~ 」光文社 (2015/9/20)
大栗 博司 「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」中央公論新社 (2014/8/22)
バーバラ・ライデン 「宇宙論入門」ピアソンエデュケーション (2003/08)
Edward Kolb、 Michael Turner 「The Early Universe (Frontiers in Physics)」Westview Press; 1版 (1994/2/21)

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