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「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか」の話

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2018年のビジネス書準グランプリ書、山口 周著「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」の読書感想と備忘録です。

 

はじめに

 

 

タイトルの問について、例えば「The MFA is the new MBA」(MFA=芸術学修士は新しいMBAである)と題した記事がハーバード・ビジネスレビューに掲載されたのは2008年のことで、先進的ばグーバル企業においてはMBAで学ぶような分析的でアクチュアルなスキルよりも、美術系大学院で学ぶような統合的でコンセプチュアルなスキルの重要性が高まっていると報じられました。

 

最近になり、クリエイティビティとリーダーシップを繋げ、問題解決におけるロジカルなアプローチとは異なるデザイン思考のプログラムがビジネススクールや大学院のカリキュラムとして採用されています。

 

ビジネスの世界のトレンドとして、なぜ「サイエンス」より「アート」が重要視されるのか、本書はその理由と方法についてまとめられています。

 

なぜいまアートが重要なのか

 

 

現在のように複雑で不安定な世界において意思決定をするのに「分析」「論理」「理性」に軸足をおいたサイエンス重視では適切な舵取りができないのが最たる理由となります。

 

サイエンス重視の経営の問題点として

 

①正解のコモディティ化

→コモディティとは汎用、ありふれたとの意味で、情報の価値がなくなり、論理的・理性的な情報処理スキルの限界の問題

 

②世界中の市場が「自己実現消費」へと向かいつつある

→地球規模で経済が安定するにつれてマズローの欲求の最終段階「自己実現」の欲求を満たすため、人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要になる

 

③システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

→急速な技術革命、情報革命により法的なルールが追いつかない中では内在的な「真・善・美」を判断するための倫理や道徳(美意識)が必要である

 

以上の理由により、この不確実性な世界で適切な意思決定をしていくためのリーダーの資質として、美意識を鍛えるための教養が大切になります。

 

 

日本人の美意識と教育

 

著者はこの「自己実現欲求の市場」において日本には世界に比べても分があると言います。

顧客の感性を刺激する情緒的で自己実現的な便益が重要である市場で日本人の持つ「美意識」は競争資源になり、侘び寂びを代表としたシンプルさ、毛筆、和紙、和食器など繊細さ、そして、日本人固有の道徳心はこの市場では大きな武器となります。

 

では日本の教育システムはどうか?

 

現在の教育システムはシステムに適応する人間を作るための教育となっています。いわいるエリート教育です。

エリートはシステムに対して最高度の適応度を持っている人たちのことを言います。

そしてエリートは階層的でシステマティックな環境を好み、頑張ったら頑張った分だけ階級があがるわかり易いシステムを好むといいます。

しかしながら前述の通り、多様性と莫大な情報が入り混じり、急速に変化する不安定な市場では、ロジカルに適応したエリートはリーダーシップを発揮することは難しくなります。

また、日本の終身雇用に代表されるように極端に転職が少ない場合、自分の所属しているコミュニティの常識が外では通用しないということに気づけず、現在の環境を相対化することができないという問題が生じます。

 

こうした問題点に対し、個性を重視する教育システムの導入や転職による異文化経験の推進など自分のコミュニティのルールや評価基準を相対化できる知性の持つ人材の育成が大切になってきます。

 

アートとは何か

 

マツダの「魂動」デザインを指揮する前田育男氏はアートの定義として「一目見た瞬間に人を感動させられるもの」と言います。

そこにロジカルな説明やデータはまったく必要ありません。

この人を感動させるデザインを生み出すための創造性と意思決定には、

問題解決のためのデザイン思考ではなく「高い水準の審美眼と哲学・倫理観」に裏打ちされた直感ということになります。

それがプロダクトを作る創造者とそれを決定する権限をもったリーダーの双方に求められる資質となります。

 

 

美意識を鍛える方法

 

ミシガン州立大学の研究チームはノーベル賞受賞者、ロイヤル・アカデミーの科学者、ナショナルソサエティの科学者、一般科学者、一般人の5つのグループに対して「絵画や楽器演奏等の芸術的趣味の有無」について調査したところ、ノーベル賞受賞者のグループは、他のグループと比較して有意に「芸術的趣味」を持っていることがわかりました。具体的には一般人との比較では2.8倍も芸術趣味を保有している確率が高かったのです。

アインシュタインはモーツァルトを愛し、リチャード・ファインマンは文学を愛し、ガリレオ・ガリレイやペニシリンは水彩画を描いています。

つまり、芸術的な素養としての「美意識」を鍛えている人は科学的な領域でも高いパフォーマンスを上げているということです。

 

本書では美意識を鍛える方法として以下の4つが提示されています。

 

①絵画をみる

アートを見て・感じて・言葉にすることで観察力を鍛える、パターン認知から自由になるといいます。

 

②哲学に親しむ

哲学の内容とその結論に至った理論背景と時代背景(歴史)哲学者自身の世界や社会への向き合い方を学ぶことで、現在の社会やシステムに対する批判的思考を鍛え、無批判にシステムを受け入れるという「悪」に人生を絡め取られることを防ぎます。

哲学については著者の「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」に詳しいのでご参照ください。

「武器になる哲学」については私も読書紹介していますのでご興味ある方は👇からお願いします。

 

③文学を読む

文学はというのは哲学と同じ問いを物語の体裁をとって考察してきたものです。

物語の中で与えられる問いに自分なりの「真・美・善」の感覚に照らして、誰の生き様な考え方に共鳴するかを考えることで、

自分のアンテナの感度を磨きます

 

④詩を読む

リーダーシップと詩にはレトリック(修辞)が命であるという結節点があり、詩を読むことでメタファー(比喩)の引き出しを増やします。

「人のこころを動かす」表現にはいつも優れたメタファーが含まれています。

 

 

まとめ

 

不安定で不確実な現在の市場では「真・美・善」に基づいた意思決定が必要であり、人の自己実現欲求に訴える感性や美意識が求められる。

そのためには優れたデザインの観察や文学、詩、哲学的教養により審美眼を鍛える必要がある。

 

 

終わりに(お願い)

 

今年の私の目標の1つに普段読まないジャンルの本を月に1冊は読むとあります。

文学作品も詩も普段読まないジャンルに含まれます。

1月は文学作品を1冊読みましたが、たしかに普段とは違う感覚があり、作者や登場人物の意図や考えに共感したり、絶望したりと色々と心が揺さぶられました。

2月は本の街の企画でいただたいHONCOINで得た銀色夏生さんの詩を読みます。

 

詩については谷川俊太郎と相田みつをぐらいしか知らず、選ぶのが本当に難しいジャンルだと思っています。

もし、「この詩がいいよ!」とか「これ読んでみて!」とかあればぜひコメント欄でご紹介ください。

お礼もいたしますのでよろしくお願いいたします。

 

 

紹介図書

山口 周 「世界のエリートはなぜ「美意識を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」

 

 

 

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Comments from NEMber
7zoesan
2019-04-19 08:15:00ID:106040

>>目指せ北海道::さん
たしかにお二人の詩の世界観はいいですね、ちょっと暗い気持ちになりますが。

目指せ北海道
2019-04-18 23:47:10ID:105967

読む純粋文学とはちょっと違うかもしれませんが、聴く文学として、中島みゆきとさだまさしは、言葉の選び方に何か特別な物を感じます。

物愚者
2019-02-14 18:29:17ID:54029

https://www.amazon.co.jp/文章読本-中公文庫-三島-由紀夫/dp/4122024889

確かこれだったような

物愚者
2019-02-14 18:26:11ID:54026

>>7zoesan::さん
yeah

7zoesan
2019-02-14 18:23:39ID:54019

>>物愚者::さん
では三島由紀夫を読んでみます!

物愚者
2019-02-14 13:51:35ID:53879

一流のものに触れねば一流の審美眼は鍛えられないと三島由紀夫も言ってました。

7zoesan
2019-02-14 13:21:09ID:53845

>>ZEMZEM🐳nemlog基金理事長::さん
何か良かったのあれば教えてください!

7zoesan
2019-02-14 12:58:57ID:53817

>>クイックネム::さん
もし良い詩に巡り会えたら教えて下さい!

>>YUTO::さん
なかなか論理が通用しない時代です。
その分面白さもあり、チャンスもたくさんあると思ってます。

NEMber who posted this article

北海道で理学療法士兼スポーツトレーナーとして活動しています。
これまでの臨床経験から得た気づきや学びに関すること、
日々の読書の備忘録など、徒然なるままに健康と幸福と自身の人生観についてアウトプットしていきたいと思います。
NEMはあまり関係ないことが多く、申し訳ありません!!

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