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「心の暗黒物質:無意識」の話

nem32.65xem (6) 220 8 1

世の中には長続きする結婚生活を欲していながら、妻を欺き続ける人がいます。

世の中には成功する職業人生を望みながら、仕事で墓穴を掘り続ける人がいます。

アリストテレスは人間は理性的な動物と定義しましたが、例をみれば私たちは決して理性的で合理的な選択をしているわけではありません。

このパラドクスを説明する因子の一つとして、フロイトが発見した「無意識」があります。

都合の良い無意識はそれを説明するための発明ともいえます。

しかしながら、フロイトが提唱した「無意識」や「抑圧」それらを元にした「心理療法」は科学的な研究手法でそれを証明する結果には至っておりません。

暗黒物質とは天文学的現象を説明するために考えだされた「質量は持つが、光学的に直接観測できない」とされる、仮説上の物質をいいます。

「無意識は暗黒物質である」とは心理学者ジェエルゴールドの言葉です。

存在が確認されていないながらも私たちに影響を与え続ける「無意識」について考えていきます。

 

 

無意識とは?

 

無意識とはフロイトによって創始された精神分析学の基本概念をいいます。

無意識の概念は、人間の理性や意識がそのコントロールを超えたものによって支配されていることを示し、人間は理性的であるとした近代的人間像や意識を重視する哲学に大きな衝撃を与えました。

フロイトは、身体に異常がないにもかかわらず歩けない等の症状が現れるヒステリー患者の治療を通じて、患者のうちに本人が認めたくない欲望があることに気づいきます。これが「抑圧」です。心には、かなえられなかった欲望が意識に上らないよう抑圧されており、この抑圧された欲望が「無意識」とされ、ヒステリーの原因と考えられました。

 

無意識の存在

 

無意識というものが存在することは専門家にとっても一般人にとっても議論無用のドグマと化しているのですが、無意識を認めるということは自我にとって不都合なものすべてが無意識という名のブラックホールへ吸い込まれ(抑圧)、吸い込まれた記憶が心身の不調を招いていると原因でということになります。そして、その無意識の奥に眠る記憶は精神分析によって再び無意識の世界から開放することができ、治療が可能になります。

これらが真実であれば、われわれの体験や経験したことのすべてが正確に記憶され、完全であり、失われることがないといえます。

しかしながら、どんな研究においても「抑圧」という無意識への記憶の保存を証明できた研究はなく、抑圧ないしその影響を再現できたものも一つもありません。

また記憶は強い感情と結びついた場合に強化され、忘れられないものとなります。それがPTSDのような問題を引き起こします。つまり、抑圧して無意識に放り込むこと(忘れること)ができないことが心身不調の問題となるのです。

記憶の強化は海馬が長期記憶に書き込む際に、同時に感情が刺激されると、その記憶は長期間海馬に蓄えられることが最近の神経学の研究で明らかになっています。

 

記憶はあいまいなもの

 

また記憶はとても曖昧なものであることもわかってきています。

アメリカの研究では、70人の被験者に、3日続けてグリッド線上にある物の位置を記憶する実験が行われました。

初日の二時間のセッションで、参加者はパソコンのスクリーン上で、180のそれぞれ違う物の位置関係を覚えます。

翌日の二回目のセッションでは、グリッド線の中央に集められているこれらの物を、もとあった場所に戻すテストして、三日目のセッションでは、最終的にどこまで正確に覚えているかテストします。
最終日のテスト結果はかなり正確でしたが、誰一人としてすべて正確に記憶していた者はいませんでした。さらに、もっとも注目すべきことは、最終日に、一日目に覚えた正しい位置ではなく、二日目で覚えた間違った位置に近い場所に物を置く傾向がありました。このことから、二日目に覚えた間違った位置の記憶が、三日目の記憶に影響を与えていることがわかります。記憶を引き出すことにより、もともとの位置関係を思い出すどころか、むしろ二日目で思い出した位置へと記憶が変わってしまうことが実験からわかりました。
 被験者の脳の電気的活動を測定してみたところ、二日目に記憶を思い出そうとしている間に、ある特殊な電気信号が認められ、それは三日目に記憶を思い出そうとしている時の信号より大きかったのです。この信号が弱いほど、記憶がそれほど歪められない傾向にありました。

2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件ありましたが、そのうち、235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていました。目撃した後に新しい情報に触れてしまうと、記憶は瞬く間に変化してしまうことがわかります。

記憶は簡単に作られ、そして植え付けることができるのです。

 

心理療法の限界

 

以上のことから心理療法において「抑圧された記憶=無意識」に対してカウンセリングによってアクセスすることはおろか、正しい記憶を引き出すことはできないことがわかります。多くの心理療法の効果はプラセボと症状の中心への回帰(極端で異常な状態は、時間ともに、適度で平凡な状態に変化する傾向があること)によるものであり、プラセボとの無作為抽出試験でもその効果は否定されています。

「精神障害の原因は幼児期に体験したトラウマである」というフロイトの理論は「自分ではどうしようもない、自分は犠牲者である」との態度をとってしまい、これは逆に治療に対して有害になりうる指摘もあります。

フロイトの理論によって心理学や精神分析学は随分と遠回りをしてきましたが、最近では行動経済学や脳科学といった側面から人の認知や心理に与える影響が研究されており、「科学的」に人のホルモンや脳化学物質が心理や行動へ及ぼすことが考察されています。

しかしながら、まだまだ心にはグレイな部分は多く、暗黒物質である「無意識」が入り込む余地は十分あるのです。

フロイトは無意識によって非合理性が支配する概念的空間を提案しました。 宇宙は基本的に暗黒物質でできていると言われています。 私たちにはそれが見えませんが、それには巨大な重力があります。意識的な心は、宇宙の目に見える要素と同じように、心的世界のほんの一部にすぎません。 心の暗黒物質である無意識は、最大の心的重力をもっているといえます。

こうした事実を受け止め、世の中にある心理療法やカウンセリングを受ける際は「正しさ」に十分注意を払っていただければと思います。

 

まとめ

 

抑圧された記憶である「無意識」の存在は証明されていないが、私たちの心に重く影響を与えている。

科学は「無意識」を否定するが、「科学」ですべてを合理的に説明することはできない。

それでも都合の良く「無意識」を使うことは多くの危険をはらんでいるといえる。

 

 

参考図書

知のトップランナー149人の美しいセオリーより

ジョエル・ゴールド「心の暗黒物質」

ロルフ・デーゲン著 「フロイト先生のウソ」

 

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Comments from NEMber
物愚者
2019-05-09 22:43:34ID:115232

>>7zoesan::さん

とりあえず、シコシコと色々と調べたり読んだりしてみます()

7zoesan
2019-05-09 22:40:45ID:115228

>>物愚者::さん
もしそのような人(主張)との対談が実現した場合はぜひ記事でお知らせください!

物愚者
2019-05-09 22:00:03ID:115207

>>7zoesan::さん

比喩で思い出したんですが、個人的に最近逆に、脳はコンピュータで意識の源である、と言い切ってるような主張ともまともに対面してみた方がいいのかもしれないとか思ってたりして。

そっち側の主張について、もはやメタファーの一つであるという前提を共有せずとも多くの人が疑いなく信じているということはそれだけ説得力を持っているということでもあるので。。。

意識の源とは本来コートであって、そのコートがハンガーに特定の形で掛かっている時に現象としてのある意識が生じるのに、ハンガーばかり調べるのは不毛ではござらんか?

という主張をしようもんなら「バカジャネーノ?w」と返されるほどの説得力を探しに。

7zoesan
2019-05-09 21:25:08ID:115184

>>物愚者::さん
難しいです笑
全ての認知がハードディスクのようであればそれもまた面白くない世の中になるのでしょうね。
地層のように折り重なっていくことで遠くからみると境界は明瞭でも寄ると曖昧になる、比喩としては適切な気がします。

物愚者
2019-05-09 18:32:04ID:115106

無意識について、閾下の認識、あるいは閾上で認識したと思っている物事の残滓が蓄積したうまく言い表せない経験と多少の生得的傾向が重なり合った地層みたいなもんだと思ってます。

matsuno@漆黒の
2019-05-03 22:52:20ID:113055

>>7zoesan::さん
脳神経は未来予知できないという前提で考えると、人間の内側の臓器からの刺激か、外部からの刺激か、その両方かという形で絞れそうですね。

7zoesan
2019-05-03 22:44:15ID:113051

>>matsuno@漆黒のFiFiイベ連動企画隊員::さん
経験なのかある刺激からの感覚入力なのか、間違えなく意識的な行動を行う前に脳神経は準備を初めています。
これは無意識ではなく認知できないといったことであり、厳密には無意識は存在しないのでしょうね。

matsuno@漆黒の
2019-05-03 22:26:35ID:113042

以前、確か無意識はないという説をおっしゃらていましたが、私も漠然とそう思ってまして、
人間の細胞が脳神経に伝わり、神経がフィードバックする間に個々の人間の神経の繋がり方に個性があるため性格と呼ばれる個性が発現するのではないかなと考えています。
さらに、人間個体以外の外部刺激、空気の流れ、振動による音、熱等の刺激によって人間が動かされてるだけなのではないのかなと考え始めました。

NEMber who posted this article

北海道で理学療法士兼スポーツトレーナーとして活動しています。
これまでの臨床経験から得た気づきや学びに関すること、
日々の読書の備忘録など、徒然なるままに健康と幸福と自身の人生観についてアウトプットしていきたいと思います。
NEMはあまり関係ないことが多く、申し訳ありません!!

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