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「文章読本で文章力を鍛える」話

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7zoesan
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2019-04-12 22:06:58
「文章読本で文章力を鍛える」話

nemlogで書き始めてから半年が過ぎました。

200記事近くをアップしてもなお、自分の文章や言葉使いの凡庸さに落ち込んでおります。

小手先のテクニックよりも「伝えたいこと」が伝わる文章が大切なのは頭ではわかっていても、文才がある方の記事を目にするたびに羨ましく、嫉妬さえ覚えます。

ある時、世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのかの話のコメントで物愚者さんから一冊の本をご紹介いただきました。三島 由紀夫 著「文章読本」です。

彼のような文章を書く秘密がここにあるかもしれない、そんな淡い期待をいだき、私はこの本を手にしました。

 

こちらの本は「格調と気品」に溢れた貴族主義的文章を重んずる潔癖な文筆家であり、小説を深く味わう精読者である三島自身が書く、文章論、文体論となっています。

「文章読本」は文章鑑賞家でもある三島が数多くの名作家の小説や戯曲、評論、翻訳作品の文章を紹介しながら解説していきます。また、文章技巧としては人物、自然、心理、行動、文法描写の方法について述べています。

結語では三島自身が文章を書く際に注意を向けていることについてまとめており、文章を書く上で、非常に参考になることが多かったため引用したいと思います。

 

以前の私は文章の中に凡庸な一行が入り込むことが酷く不愉快であり、それはつまらない潔癖にすぎないことに気がつきました。凡庸さを美しく見せ、全体の中に溶け込ますことが、大事な要素です。

むしろ自然な平坦な文章のところどころに結び目をこしらえることに熱中します。あまり結び目が多すぎては喉につかえると思うからであります。

 

対象への形容や感情的表現を避けて、シンプルに行間を整えて次への流れを作りだすことを言っているのでしょうか、結び目という表現が指す意味は三島の文章をあまり読んだことのない私にはあまり理解できていませんが、後の文章で書かれている過去形が続く場合には現在形の表現を織り交ぜるといったことや、同じ過去形表現でも物語的雰囲気をもたせる「であった」リアリズム雰囲気をもたせる「するのだった」など使い分けることを言っているのかもしれません。

 

文章があまりに個性的な外観をもつことを警戒する

 

これは読んでいる方が作者の個性が気になって、文章(物語)を読まなくなるためであると三島はいいます。

 

出来上がった文章は直しません、出来上がった文章は私のそれぞれの年代、それぞれの時代の考え、感じたことの真実を表しているのでそれを時がたってから修正することは不可能だと考えます。

去年書いた文章はすべて不満であり、いま書いている文章も、また来年みれば不満でありましょう。

それが進歩の証拠だと思うなら楽天的な話ではあって、不満のうちに停滞し、不満のうちに退歩することもあるのは、自分の顔が見えない人間の宿命であります。

 

私も今まで書いたブログの内容を誤字以外で修正を加えることはないのですが、直したくなる衝動にはかられます。そして過去に書いた文章はやはりすべて直したくなる「不満」が隠れています。

そのときには「完璧」と思っていたものも後から見ればひどく凡庸に見えてしますことも多々あります。ここで私が読み取ったのは直しはしないけど過去の文章を目を背けずに丁寧に読んでいるいうことです。メタ認知とも言えるかもしれません。そうやって自分の文章を客観的に見つめることで、自分の顔が見えない人間の宿命から逃れているともいえます。

 

二、三行毎に同じ言葉が出てこないように注意します。

 

辞書を引きながら海外の論文も読んでいると、同じことを言っているのに言い回しや単語を変えている文章に気づくことがあります。海外ではそれが「流儀」なのだと教えてもらったことがあります。確かに同じ言い回しの繰り返しはくどくどしく、流れが滞る感じもあります。

 

文章の中に一貫したリズムが流れること、言葉の微妙な置き換えによって、リズムの流れを阻害していた小石のようなものが取り除かれます。わざと小石をたくさん放りなげて、文章をギクシャクさせて印象を強める手法もありますが、それよりも小石を色々に置き換えて、流れのリズムを面白くすることに注意を払います。

 

これは物愚者さんの記事を読んでいてよく感じることでもあります。作者の独特のリズム感が文章に出るといい、また文章のリズムが長く書いていくことで自身のリズムになると三島は述べています。

物愚者さんは以前ラップをやっていたことを記事の中で明かしていました。ラップにより培われたリズム感と言葉遊びがあの独特なリズムの文章を作り出している秘密なのかもしれません。

 

自分の文章の好みも様々に変化して行きますが、かならずしも悪い好みから良い好みに変化していくとも言い切れません。それでもなおかつ現在の自分自身にとって一番の納得のゆく文章を書くことが大切です。

 

自分の記事は自分で生み出したひとつの作品でもあります。作品として世に送り出す前に納得行くまで書き直すことで「最高」と納得できる作品を増やしていきたいですね。

 

文章の最高の目標を格調と気品においています。正確な文章でなくても、格調と気品がある文章を尊敬します。

文章の格調と気品とは、あくまで古典的教養から生まれるものであります。

古典時代の美と簡素は、いつの時代にも心をうつもので、現代の複雑さを表現した複雑無類の文章ですら、粗雑な現代現象に曲げられていない限り、どこかでこの古典的得失によって現代の現象を克服しているのであります。文体による現象の克服ということが文章の最後の理想である限り、気品と格調はやはり文章の最後の理想となるのでありましょう。

 

私に圧倒的に足りていないのはこれかもしれません。古典的教養です。良い文章に触れ、咀嚼し、飲み込む、その経験がおそらく相当に足りていないのだと思います。平易な文章に毒されている私にとって古典は読みにくく、避けるきらいがありました。言葉や文字が今よりも丁寧に扱われていた時代の名文、名作といわれる文章をこれから読み進めてみようかと思います。「気品と格調」がある文章、いつかは書いてみたいものです。

 

物愚者さん、「文章読本」のご紹介ありがとうございました。

こちらの本は文章力をレベルアップさせたいすべての人にオススメいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

紹介図書:

三島 由紀夫 著「文章読本」

 

 

 

Comment
7zoesan
7zoesan
2019-04-19 18:13:02ID:106266

>>楽たろう::さん
ありがとうございます!これからも自分らしい文章を書けるように精進します!

楽たろう
楽たろう
2019-04-19 13:29:18ID:106185

文章力について、ビートたけしが「画家が同じ絵を描かないように、作家も同じじゃなくていいだろ」って事を言ってました。

要は、自分が書きたい事を、自分らしく書けば良いって事何だけど…(-_-;)

自分らしさが解って無いから悩むんですかねぇ(-_-;)(笑)
でも7zoesanさんの文章力は目を見張りますよ✨

物愚者
物愚者
2019-04-14 15:15:02ID:102789

>>7zoesan::さん

自分も読み返してみますm(_ _)m

7zoesan
7zoesan
2019-04-14 14:56:29ID:102772

>>物愚者::さん
まぁあくまで三島式ですからね、でも本当にリズム感や格調高い文章ってわかりますよね。意識せずともそうなるなんてつくづく尊敬しちゃいます。
良本のご紹介ありがとうございました!

物愚者
物愚者
2019-04-14 12:26:05ID:102677

三島のセオリーからするといけないこと結構やっちゃってますな私。。。

7zoesan
7zoesan
2019-04-13 05:54:58ID:101960

>>tom::さん
ブログといったコンテンツはアート的な要素もあって自己満足でもいいと思ってます。
商業文章は読み手あってのことなのでそこに読者目線も加わるのだけど小説とかは微妙だと思います。
読みたくなければ読まなけりゃいいそれもありなんだと、この前のメタ認知の話で盛り上がってました。

きなこ
きなこ
2019-04-12 23:48:45ID:101847

>>7zoesan::さん

そうそう💡
三島由紀夫すきで、彼の人生にも興味があって
市ヶ谷駐屯地での割腹自殺を題材にした映画とか、
当時のニュースとか、いろいろみてます👀
でも、やっぱ一番学びがあるのは、彼と深い仲だった
美輪明宏さんのエピソードなのだ。
あ、ついついしゃべりすぎて申し訳ない💦
三島トークに熱が入ってしまった。

きなこ
きなこ
2019-04-12 23:44:52ID:101838

>>ちきゅう::さん

そんなこと言われたのはじめて✋(*´ω`*)
全然OKだし、逆においらもちきゅうさんの「これいい」と思ったこと
使いたいし(笑)👍

tom
tom
2019-04-12 23:10:02ID:101809

文章っていくら完璧だとおもっていても読み手からしたらここはだめだとかあるので、正解はないですよね!

7zoesan
7zoesan
2019-04-12 22:59:22ID:101795

>>ちきゅう::さん
きなこさんの文章も独特の話し方とリズムがくせになります。おいらの言い回しも好き。
>>きなこ::さん

この記事を書いた人
北海道で理学療法士兼スポーツトレーナーとして活動しています。 これまでの臨床経験から得た気づきや学びに関すること、 日々の読書の備忘録など、徒然なるままに健康と幸福と自身の人生観についてアウトプットしていきたいと思います。 NEMはあまり関係ないことが多く、申し訳ありません!! ツイッターもはじめましたので、よかったらフォローお願いいたします。