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【読んだ気になれる】太宰治「彼は昔の彼ならず」

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<要約>
「僕」は青扇という書道家を名乗る人物に家を貸すことになる。青扇は会う度に肩書きを変え、中々掴めない不思議な人物であった。「僕」は次第にその青扇の不思議な雰囲気に天才のそれを感じ惹かれるようになる。
しかし、ある日青扇が「僕」の真似をしていると気づき、一気に冷めてしまう。青扇の妻であるマダムに青扇の話を聞けば、「真似をしますのよ、あのひと。あのひとに意見なんてあるものか。」と答えられ、青扇の正体が確信に変わった。
「僕」は青扇を、そしてそれを天才だと信じた自分に軽侮を覚えるが、誰しもがその日その日の具合で違ったように見えるだけなのだと悟る。

 

○感想
読了後の印象としては中々痛いとこを突かれたなって感じです。
昨今個性がどうの、多様性がどうのという言葉を耳にします。「みんな違ってみんないい」という言葉は聞こえは良いですが、「果たして本当にみんな違うのか?」っていうのを考えさせられました。

 

この作品が書かれた当時、若者の「無性格」が社会で問題視されていました。「今の若者は何かの真似をするばかりで個性がない」ってことを言われていたらしいです。青扇というキャラクターはその当時の若者を象徴しているという研究が割と通説らしいのですが、これは今の時代でも通じますよね。
インターネットが普及した今世界中にその個性を発信できる世の中であり、既存の大半の職業が必要なくなると言われてきました。確かにその通りなんでしょうが、果たしてその失われた(失われる)職業ほどの人口が個性を持ち合わせていると言ったら難しいですよね。要はこれって個性を持ち合わせていない人間は生きている価値がないって言われているのと一緒なんじゃないのって思って悲しくなります。「今の若者は何かの真似をするばかりで個性がない」ってのを現代でも言われ存在否定されるのだと思うと中々キツい。
無性格でも生きていけるのが健全な社会だと思います。

 

しかし、この物語が良いのはそんな「無性格」に対して優しいところなんですよね。
先ほども述べたように青扇は「無性格」の象徴として描かれており、「僕」に軽侮されマダムにも本心を突かれと結構可哀想なんですが、皆最後は青扇の元に戻ってきます。そんな青扇を哀れで愛しく感じてしまうんですよね。
そして「僕」は最後にその青扇との話を聞いていた第三者(又は読者)に次のように語りかけます。

 

「ふつうの凡夫を、なにかと意味づけて夢にかたどり眺めて暮して来ただけではなかったのか。竜駿はいないか。麒麟児はいないか。もうはや、そのような期待には全くほとほと御免である。みんなみんな昔ながらの彼であって、その日その日の風の工合いで少しばかり色あいが変って見えるだけのことだ。
(中略)
――よし。それなら君に聞こうよ。(中略)あの男と、それから、ここにいる僕と、ちがったところが、一点でも、あるか。」

 

結局人というのはその日その日で何となく違って見えるだけで結局はみんな同じだということが語られていますが、そこには「無性格」が悪いというような責めた感じではなく、「仕方ないよね」というような諦観を感じさせるものがあります。

 

「個性」という言葉に悩まされる時代には優しい物語だと思いました。

 

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Comments from NEMber
7zoesan
2019-04-18 22:40:15ID:105854

>>Yonnsann::さん
ありがとうございます。

Yonnsann
2019-04-18 22:23:21ID:105838

>>7zoesan::さん
記事の方読ませていただきました。
過去に書かれた作品が現代の問題にも繋がるのは面白いですね。
「個性」の問題は今後も大きな課題になってくると思うので7zoesanの見解、これからも楽しみにしています!

7zoesan
2019-04-18 12:18:25ID:105604

>>Yonnsann::さん
こちらの記事を参考に個性と教育について書かせていただきました。
https://nemlog.nem.social/blog/21043
きっかけをくださりありがとうございます😊

Yonnsann
2019-04-17 23:31:32ID:105334

>>やそ::さん

ありがとうございます!
使い勝手がまだイマイチわかってないのでアドバイスありがたいです(__)

やそ
2019-04-17 22:47:33ID:105308

記事とは関係ないですが、1つ。
カテゴリは空白で区切っても複数選択できないはずなので、1つに絞ったほうがいいと思います。
で、その代わり、検索タグがおそらく思っていらっしゃるカテゴリのように複数選択できて、それでタグ分けも出来ますので、そちらを活用されると良いかと。

Yonnsann
2019-04-17 20:13:43ID:105173

>>7zoesan::さん
コメントありがとうございます。

「僕」が青扇の正体に気付いた瞬間いきなり青扇が、そして「僕」が惨めにみえてしまうのですが、同時にその姿を愛しくも感じさせます。
それはきっと誰しもそういったところがあるからだと思いました。

「個性」という言葉に悩む人には是非読んで欲しい作品です。

7zoesan
2019-04-17 19:22:58ID:105119

面白い話でした。個性、個性と言われるのも辛いですよね。学校が個性を潰すように教育しているのに個性を出せと今更言われても…
そんな人たちにはきっと青扇の生き方は優しく響くのですね。

NEMber who posted this article

ネムログ気になったのでライブドアブログからいくつか移行します。

趣味は読書(特に太宰治)、アニメ鑑賞(特に幾原作品)、京都観光。
京都には足繁く通っているので色んな情報を提供できたらと思います。

また、教育実習、学校教員(少しですが)を経験して思ったことも少し書けたら良いと思います。

現在はwebデザインを勉強中。
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