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【読んだ気になれる】太宰治「恥」

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〈要約〉
戸田という小説家は自身を貧乏で、禿げていて、汚くて女好きで大変卑しい男だと著書で綴っている。
そんな戸田に、「私」は次のような手紙を送る。

 

貴下は御自分の貧寒の事や、吝嗇の事や、さもしい夫婦喧嘩、下品な御病気、それから容貌のずいぶん醜い事や、身なりの汚い事、蛸の脚なんかを齧って焼酎を飲んで、あばれて、地べたに寝る事、借金だらけ、その他たくさん不名誉な、きたならしい事ばかり、少しも飾らずに告白なさいます。
 (手紙全体の内容としては「貴女の女性ファンなんていないでしょうけど私は読んでいます」みたいな感じです。)

 

「私」が手紙を送ってすぐに発表された戸田の小説の主人公がなんと「私」にそっくりだったので、「私」は驚きまた戸田に手紙を書いた。
 
今月の『文学世界』の新作を拝見して、私は呆然としてしまいました。本当に、本当に、小説家というものは油断のならぬものだと思いました。(中略)貴方は将来有望の志だと思います。
 
そして、「私」は戸田に会いに行こうと決意する。戸田は貧乏なので失礼にならないように「私」は自らもみすぼらしい格好をして戸田の元に訪れた。しかし、そこには予想外の光景が広がっていたのだ。
 
戸田さんのお家は、長屋ではありませんでした。小さいけれども、清潔な感じの、ちゃんとした一戸構えの家でした。お庭も綺麗に手入れされて、秋の薔薇が咲きそろっていました。すべて意外の事ばかりでした。
 
「私」が混乱する中、家の中からは上品で落ち着いた奥さんが出てきた。
 家の中に通されとうとう戸田本人に会うがこれも話が違う。
 
まるで違うのです。歯も欠けていません。頭も禿げていません。きりっとした顔をしていました。不潔な感じは、どこにもありません。この人が焼酎を飲んで地べたに寝るのかと不思議でなりませんでした。
 
「私」はそんな戸田の本当のすがたに絶望しながらも、何故自分をモデルにした小説を書いたのか問いただす。
しかし、戸田の返事は意外なものだった。
 
「僕は小説には絶対にモデルを使いません。全部フィクションです。」
 
戸田は「私」のことなんてまるで意識していなかったのだ。それどころか、手紙をもらったことすら覚えていなかった。
「私」は仕方なく帰り如何に自分が恥ずかしい行為をしていたのかを知り、そして小説家を憎むのだった。
 
 
○気になった点
この話で注目したいのが、何度も何度も「私」が言葉にする「小説家なんて人の屑よ。」という言葉。
太宰は多くの作品で幾度も小説家について言及しますが、一貫して立派な暮らしをする「小説家」を批判、皮肉する文章を書いています。また、志賀直哉などの所謂「大作家」に対しても皮肉を込めた批判的な文章を書いており、太宰にとっての「小説家」がどういったものなのか考えさせられます。

 

もう一つ気になった点としては「私」というキャラクター。
「私」が送った一通目の手紙には、
 
他の女の人には、わかりません。女のひとは、前にも申しましたように虚栄ばかりで読むのですから、やたらに上品ぶった避暑地の恋や、あるいは思想的な小説などを好みますが、私は、そればかりでなく、貴下の小説の底にある一種の哀愁感というものも尊いのだと信じました。
 
といった「私は他の女とは違う」アピールがされていました。これは太宰の「女の決闘」の次の部分を想起させます。

 

私は、世の学問というものを軽蔑して居ります。たいてい、たかが知れている。ことに可笑しいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、いつ鴎外から弟子のゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして居ります。」と殊勝らしく、眼を伏せて、おそろしく自己を高尚に装い切ったと信じ込んで、澄ましている風景のなかなかに多く見受けられることである。あさましく、かえって鴎外のほうでまごついて、赤面するにちがいない。
 
今で言う「意識高い系」というやつですが、太宰はそういったタイプの人間を揶揄する文章を幾度か書いており、この「恥」もその一つなのだと思いました。
そしてこの「意識高い系」とは「私」のことだけではなく、「私」が非難する「小説家」も指しているのが面白いですね。 

 

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ネムログ気になったのでライブドアブログからいくつか移行します。

趣味は読書(特に太宰治)、アニメ鑑賞(特に幾原作品)、京都観光。
京都には足繁く通っているので色んな情報を提供できたらと思います。

また、教育実習、学校教員(少しですが)を経験して思ったことも少し書けたら良いと思います。

現在はwebデザインを勉強中。
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