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【読んだ気になれる】寺山修司「毛皮のマリー」

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〈要約〉
美しい男娼マリーは美少年の欣也を養子に持つ。マリーの美貌に嫉妬し、男でありながら女になりきるマリーを馬鹿にしたかつての親友を男に強姦させて産ませた子どもを欣也と名付けて引き取った。マリーは母親として美しい欣也を思い通りに育て、セックスの汚物を捨てる肉の屑篭にして女への復讐を果たそううとする。
一方、マリーに幽閉されており、一度も外の世界を見たことがない欣也。そんな欣也の前に美しい少女が現れ、共に逃げようと誘われる。しかし欣也は外の世界は全て嘘だと思い込みその誘いを拒み続けた。美少女は欣也を愛しており、彼にキスをしようとするが、触れることを恐れた欣也は美少女を絞め殺してしまう。
マリーが男の元から家に戻ると欣也はいなくなっていた。しかしマリーは焦ることなく、欣也の名を高らかに呼ぶ。もはや意思のないただの人形になってしまった欣也は大人しくマリーの元に戻り、マリーに着飾られながら次第に美少女へと変化していく。


○感想
ブログに載せていいものかと迷うくらい中々エグい話を持ってきてしまいましたが、個人的に寺山修司が好きなので一番印象に残っている話について書きました。

この話はそもそも戯曲でして、本文も脚本のような書き方をしています。戯曲ではマリー役に美輪明宏さんが出演されていたようです。若き日の美輪明宏さんはそれは美しかったですからとてもぴったりだなあと思いました。

 

個人的にはストーリー構成にとても感心しました。
狂った親子愛を描いたこの作品。様々な問題を提起しているのですがマリーの描写ではそれが顕著に表れていました。
ゲイであり女装をするマリーは、若い頃に女友達から辱めを受けて完全に倫理観が狂ってしまいます。これはトランスジェンダーの問題を最も惨い形で表現していますね。しかし更に注目したいのは、差別を受けたマリーが女友達を男に強姦させたという場面で描かれたもう一つの問題。

 

マリーの語りでは男に金を握らせて襲わせたという話になっているのですが、恐らくこれはミスリードです。というのも、その女友達はあまり顔が綺麗ではなく、だからこそ男でありながら美しいマリーに嫉妬し辱めました。その彼女から目も覚めるような美少年が生まれるとは中々考えにくい。襲わせた男が美しい顔立ちをしていたとも考えられますが、その男についての描写は全くないので根拠としては不十分です。また、マリーがある男にその話を聞かせている時、男は「あんたが襲って孕ませたんだ」と言います。マリーはその言葉に暫く沈黙し「違うわよ」と返しますが、これは図星故の沈黙だったのでしょう。
となればマリーは女になることを望みながら、男の力を行使して女友達を辱めたことになります。つまりこの描写は、トランスジェンダー差別と男女の力関係の問題の両方を同時に描いていることになるんですね。女になりたい男が怒りに狂った時、男の力を使う複雑さ。ストーリーとしては非常に高度で寺山修司の才能を思わせました。

 

また、寺山修司は台詞の使い方も詩的ですごく軽みを感じさせ、恐ろしく惨い内容とは対照的な台詞の数々が不安定さを生み癖になってしまいます。
特に欣也と美少女の掛け合いはとても美しかったです。

 

美少女:(くるりとふりむいて)マリーさんて?
毛皮のマリーのこと?
可哀想な九月の桜、ゲジゲジの毛皮。
あのばばあは、一体あんたの、何なの?

 


美少女:だから来てあげたんじゃないの、あたしが……
美少年:どこから?
美少女:世界の一番遠い場所から

 


美少年:(混乱して)ここは、化け物屋敷で、外へ逃げると外にはもう怪物はいないんだね。
美少女:外は素晴らしいわ!扇風機じゃなくて、ほんとの風が吹いてるもの。


脚本でもあるので声に出したくなるようなリズム感がとても読んでいて心に染み込んできます。内容が内容なだけにこの言葉の軽さが余計にこちらを不安にさせる。しかしその感じが堪らないです。

寺山修司作品はどれも色々と考えさせられるので、他作品も少しずつあげていきたいと思います。

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ネムログ気になったのでライブドアブログからいくつか移行します。

趣味は読書(特に太宰治)、アニメ鑑賞(特に幾原作品)、京都観光。
京都には足繁く通っているので色んな情報を提供できたらと思います。

また、教育実習、学校教員(少しですが)を経験して思ったことも少し書けたら良いと思います。

現在はwebデザインを勉強中。
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