connecting...
Google translation for articles :
3 NEMBER donated to you!!

【古事記入門】その43 イズシヲトメ

nem6.35xem (3) 154 2 0

アメノヒボコが新羅から持ち込んだ8個の財宝は総称して「伊豆志八前大神(いづしやまえのおおかみ)」とし、豊岡市の出石神社の祭神となりました。

今回はそのイズシヤマエノオオカミの娘、イズシヲトメの話です。

 

イズシヲトメ

 

かれここに神の女、名は伊豆志袁登賣(いづしをとめ)の神います。かれ八十神、この伊豆志袁登賣を得むとすれども、みなえ婚はず。

 

このイズシヲトメはかなりの美女で、たくさんの神々が言い寄りましたが、良い仲になることはできませんでした。

 

ここに二柱の神あり。
兄の名を秋山の下氷壯夫(したびをとこ)、弟の名は春山の霞壯夫(かすみをとこ)なり。

かれその兄、その弟に謂ひて、「吾、伊豆志袁登賣を乞へども、え婚はず。汝この孃子を得むや」といひしかば答へて曰はく、「易く得む」といひき。

ここにその兄の曰はく、「もし汝、この孃子を得ることあらば、上下の衣服を避り、身の高を量りて甕に酒を釀み、また山河の物を悉に備へ設けて、うれづくをせむ」といふ。

 

ここに2人の神がいました。
兄は秋山の下氷壯夫、弟は春山の霞壯夫という名前。

兄は弟に言いました。
「私はイズシヲトメに求婚したが、ダメだった。お前は彼女を手に入れることはできるか?」
すると弟は
「楽勝だよ〜」
と答えます。

これにカチンと来た兄は、
「お前がもし彼女を口説き落とすことができたら、私の着ている服を脱いでお前に譲り、私の身長くらいの大きさの瓶に酒を作って、山河のおいしいものを取ってきて、お前にやろう。そういう掛けをしようじゃないか」
と言います。

 

弟の霞壯夫はこれを母に話すと、母は藤の蔦を使って衣服や沓、そして弓矢を作ってくれました。

霞壯夫はそれらを身に着けて、イズシヲトメの家を訪ねます。

 

ここにその春山の霞壯夫、その弓矢を孃子の厠に繋けたるを、ここに伊豆志袁登賣、その花を異しと思ひて、持ち來る時に、その孃子の後に立ちて、その屋に入りて、すなはち婚ひしつ。かれ一人の子を生みき。

 

で、メカニズムが分からないんですが、藤の花の弓矢を便所にぶら下げておくと、イズシヲトメは不思議がって部屋に持ち帰ります。
すると霞壯夫はその後について一緒に部屋に入ることに成功し、まぐわって子供が生まれました。

 

 

さて霞壯夫は兄にこれを知らせますが、兄は約束したものをくれませんでした。
そこでまた母に言いつけます。すると母は

 

その兄なる子を恨みて、すなはちその伊豆志河(いづしかは)の河島の一節竹を取りて、八つ目の荒籠を作り、その河の石を取り、鹽に合へて、その竹の葉に裹み、詛(とこ)はしめて言ひけらく、
「この竹葉の青むがごと、この竹葉の萎ゆるがごと、青み萎えよ。またこの鹽の盈(み)ち乾(ふ)るがごと、盈ち乾よ。またこの石の沈むがごと、沈み臥せ」
とかく詛ひて、竈の上に置かしめき。ここを以ちてその兄八年の間に干き萎え病み枯れき。

 

母は出石川の河原から竹を取ってきて、カゴを編んで、川原の石と竹の葉を入れて
「この竹の葉のように、青くなって萎びよ。またこの塩が満ちて引くように、干からびよ。またこの石が沈むように、沈め」
と呪いの言葉を唱え、カゴをかまどの上に置きました。

すると兄は8年ものあいだ、病気にかかって萎れてしまいました。

 

かれその兄患へ泣きて、その御祖に請ひしかば、すなはちその詛戸を返さしめき。ここにその身本の如くに安平(やすら)ぎき。

 

兄が母に泣いて許しを請うと、母は呪いを解き、兄の体は元通りになりました。

 

 

 

 

そんな話なんですが、イズシヲトメと春山霞壯夫との間には一子が誕生しますが、その後には触れられないし名前すら語られません。
このエピソードがぜんぜん後へとつながっていかなくて、何が言いたかったのかよく分かりません。

 

さらにこの話、どーにもデジャヴなんですよねー。

誰もが憧れるマドンナを手に入れたり、いちいちお母さんに助けてもらうあたりはオオクニヌシに似ています。
https://nemlog.nem.social/blog/4248

また、呪物を使って「盈ち乾し」して兄を苦しめるあたりは、ホデリとホヲリを連想させます。
https://nemlog.nem.social/blog/6557

そして「便所に弓矢」は、三輪山のオオモノヌシと似ているような・・・
https://nemlog.nem.social/blog/9049

 

 

この話は『古事記』でのみ語られていて、『日本書紀』には見えません。

 

どうもこれらの話、もともとは同じ素材だったものが出石↔出雲↔日向と伝わるなかで登場人物が入れ替わり、舞台も山↔海が入れ替わったものなんじゃないかという気がするんですよね。
(ちなみに出石は出雲や日向や敦賀と違って、やや内陸です。海から円山川を遡って行った場所です)

 

ダブるエピソードをあえて収録した『古事記』、カットした『日本書紀』。
この態度の違いに、それぞれの作為が透けて見えるような見えないような・・・

 

 

 

そんなわけで、これで古事記の「中巻」は終わりです。

次回からはいよいよ「下巻」
恐妻家の聖帝・仁徳天皇から見ていきます。

 

 

Why don't you get crypt currency 'nem' by posting your blog article?

nemlog is blog posting service which has donation feature by crypt currency nem.
nemlog was launched to create environment which can be donated nem among NEMbers via blog articles.
Let's get nem by posting good blogs.

Nem prize event is being held frequently, Please join us on this opportunity!

nemlog registration from here
Register
Comments from NEMber
珈琲ねむりや
2019-05-10 14:46:23ID:115513

>>BleRoom::さん
そういう軽いノリで挿入された断片を、どこまでも深読みしてしまうマヌケが自分なのかもしれないなーとはマジで思います(笑)

次回以降の仁徳天皇なんか奥さんがすごくヤキモチ焼きで怖いのに、女遊びを止めようとはしませんから、それほどヒマだったのは事実なのかもしれませんね。

BleRoom
2019-05-10 12:44:15ID:115496

これは勝手なイメージですけど、昔の人は恋愛くらいしか娯楽がなく世の中そういう作品で溢れていて、
この作者も「なんとなく恋愛話でも書いてみるか〜」的なテンションだったのかも?
と思いました。笑

NEMber who posted this article

xem決済で自家焙煎コーヒー豆売ってます。nemlogでは主に古事記と飯テロ記事を書いてます。クリプト歴ヲタ同好会員。
23132
0

Why don't you read following articles?