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禁忌を犯したドラゴン

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空を仰ぐ。
高い。青い。
吹きすさぶ風が、僕の横顔を掠めて抜けていく。


目を下ろす。緑。鮮やかだ。
明るい日の光に呼応するかのように、鮮やかな緑がより映えている。


僕の心は、それに対比するようにグレーだ。なんの色もない。いや、色はあるが色が感じられないんだ。

「キェェェェェーーーーーー!!!」

遠くのほうから叫び声が聞こえる。人間の声に聞こえるが、人間だったらどれほどいいだろうか。

くそっ、ここまでもう追い付かれたのか

「一か八か、この一撃にかける!」
僕はそういうと、肩に背負った剣に手をかける。

ここは山の上だ。ここへ来るなら道はひとつしかない。僕はあえてここを選んだ。逃げ道はない。戦うしかない。

あいつが来る一瞬、のぼってくるときにだけ隙が生まれる。
そこに一撃を叩き込む。勝ち目はそれしかない。

「キェェェェェーーーーーー!!!!!!!」

また咆哮が大きくなる。もうこの景色を楽しむ余裕はもうなさそうだな。

すーっと、息を吐く。意外と落ち着いているな。

姿が見えた!僕は叫ぶ!
「父さんの敵!」

同時に右脚で地面を蹴り、左脚で踏み込む!そのまま右から左斜めへ45度の理想形で剣を叩き込むように振り下ろす!
やつはそれを尻尾で弾こうとする!が、剣の威力が上回り、尻尾が半分ほど斬れる!

「キュゥゥゥゥゥゥゥーーーーーー!!!!!」

やつが悲鳴をあげる!そのまま一本後ろへよろめく!僕は斬ったあと右から左へ体重移動をし、そのまま横回転でくるっとまわり、もう一度右脚で地面を蹴りさらに懐へ潜り込み剣を両手に構え、心臓めがけて突き刺そう…としたが、やつの短く太い腕から繰り出された拳で頬を殴られ吹き飛んでしまった!

「ギャアァァァーーーー!!!!!」
僕も情けなく悲鳴をあげる。そのまま横にゴロゴロと転がり何度も空と地面が入れ替わる。なんだか鼻の奥から鉄のにおいがする。

一撃でこの衝撃とは…
なんとか体勢を戻し立ち上がる

やつの姿が見えない。
「くそっ、どこだ?!」
やつが答える
「キェェェェェーーーーーーーーーーーー!!!」

咆哮が聞こえた。どこからだ?なんてのは愚問だな。明らかに上からだろう。
僕はあわてて空を見上げる。やっぱり青い空、なのに視界はほぼ赤い。ようやくやつの全体像がつかめた。…赤いドラゴンだ。

ドラゴンは高く上昇していく。僕もなんとか剣を構える。父さんの技の模倣だ。体の左半身に剣を構え、手は両手を添える。

やがて、ドラゴンが上昇を止めた。急に訪れた静けさ。青い空にドラゴンの赤い身体。緑の木々たちにグレーの僕の心。僕の鼻からは恐らく赤い血が流れているだろう。そして吹きすさぶ風。この風が止んだときが勝負だ。

ひゅぅぅぅ………。

「来い!ドラゴン!僕と勝負だあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「キェェェェェーーーーーー!!!!!!!!!!」

僕とドラゴンの叫び声が山全体に響き渡った。ドラゴンは翼をしっかりとたたみ、僕に向かって空から突進してくる!僕はさらに腕に精一杯の力を込める!
「父さん!!父さんの技、使わせてもらいます!!!」

僕は左半身に構えた剣を、ドラゴンの眉間に突き刺す!ドラゴンはものすごいスピードで突っ込んで来るから刺さるのもお構い無しで僕に体当たりをしようとしかける!!!
僕はその刺した剣の持ち手の両手に力を込め、両脚で地面を蹴る!!そのままジャンプし、宙返りの要領でくるっと1回転!そのまま首もとへかかとを落として蹴る!!!!
「グェェェェェェェ!!!!!!」

ドラゴンが気を失う。僕は即座にドラゴンの背中から地面へ飛び降り、ドラゴンの行方を確認する。
ドラゴンの眉間に突き刺さった剣は、ドラゴンが気を失い頭から落ちたことで深く刺さり、地面にすごい衝撃を与えたあと、ドラゴンは身体を横たわらせた。

僕はドラゴンの様子を確認しにいこうと一歩踏みだ…そうとした。だが左肩が外れていることに気づき、情けない悲鳴をあげる。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!!」

叫んでみたところでどうせ助けは来ない。僕は覚悟を決め、左手を地面につき、左手だけで地面を支える格好になる。ちょうど組体操の扇の要領の格好だ。
ほどなくして…

 

ゴキッ!!!!!


小気味良い音と共に僕の叫び声を山にこだまさせつつ、肩を入れることに成功した。

額から出た汗を右こぶしの裏で拭い、手をパンパンと払うとドラゴンの様子を確認する。

どうやら完全に死んではないようだ。
僕はふうっとため息を漏らし、カバンに入っている薬草を取り出す。

そのままドラゴンに与え、彼の傷がみるみるうちに再生していくのを見届ける。からん。完全に再生して、刺さっていた剣が地面へ転がり落ちた。

ドラゴンが不思議な音を出して僕の方を見る。やがてそれは、声になって僕にも意味がわかるようになった。

ドラゴンがいう。
「なぜ助けた」
僕は返す。
「無駄な殺生は嫌いだからな」
ドラゴンが首をかしげる。
「だが私はお前たち人間をほとんど殺したんだぞ」
自慢げに語っているようにみえるな。
「それで?だからお前を殺すのが当たり前だと」
ドラゴンがうなずく
「あぁそうだ、お前はさっき、私のことを父の敵と言ったじゃないか」
僕は首を捻る
「父の敵だったら殺さないといけないのか?」
ドラゴンが目を細めて言う
「それがお前たち人間の常じゃないか」
はぁ…、僕はため息をつく。
「同じドラゴンならわかるだろう?」
ドラゴンがハッと目を見開く
「まさか…貴様!」
僕はうなずく
「あぁ、お前がいつ見透かすかと待っていたが見透かすことは出来なかったな。そうだ。僕の母はドラゴンだ。父は人間だがな。ドラゴンと人間のハーフだよ。言うなれば、ドラゴンハーフだな。」
ドラゴンが頭を抱える
「くそっ…そんなことは、あってはならない…!!」
僕は腕組みをして言う。それも、にやっと笑ってな。
「だからこうして、お前の言葉がわかるんだろう?」
ドラゴンは力なくうなずく
「あぁ…そうだな…私としたことがそんなことも見抜けないとは…」
そしてドラゴンが続ける
「くそ、これは神に対する冒涜だ。禁忌だ。このままだと恐ろしいことが起きるぞ」
僕は腕組みをしたまま続ける
「ご忠告ありがとう。だがどこぞのドラゴンが人間を皆殺しにしたせいで、それ以上に恐ろしいことなんか起きようがないと思うんだが」
ドラゴンは立ち上がり、翼を広げる。
「貴様にとってだけではない。もはやこの世界全体の問題だ。私は急用ができた。お前が私を殺さなかったことはすべてを理解した。」
そういい残し、ドラゴンは空へと飛び立った。その姿は圧巻だ。
いつの間にか照らされる夕日にも負けない赤さを誇るドラゴン。

僕はいつまでもその背中を見続けていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お読みいただき、ありがとうございました。

別記事で野望という記事を出し、小説を書くことを挑戦してみたいと言ったら、皆さんから是非にというお声をたくさんいただいたので。書いてみました。いかがでしたでしょうか。

 

記念すべき第一作ですが、短編小説ということもあり、これで完結です。

 

基本私の小説の主人公は語りもかねていることが多いです。今回の主人公の語り口は少し「現状説明型」の語り口です(自分で勝手に言ってるだけですが笑)

 

この小説を楽しんでいただけたかどうか、是非ともコメント、投げnemなどでご評価いただければと思います。

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