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【古事記入門】その46 八田若郎女

nem10.05xem (4) 103 2 0

仁徳天皇の浮気シリーズ第2弾、今回のヒロインは八田若郎女(やたのわかいらつめ)です。

 

大后豐樂(とよのあかり)したまはむとして、御綱栢(みつながしは)を採りに、木の國に幸でましし間に、天皇、八田若郎女(やたのわかいらつめ)に婚ひましき。

 

皇后のイワノヒメは、式典のあとの酒宴で食卓の飾りに使うための木の葉を採りに、紀の国へと出掛けます。

すると天皇はここぞとばかりに、八田若郎女と恋仲になります。

 

この八田若郎女というのは先代の応神天皇の娘であり、皇位第一候補だった宇遲和紀郎子の妹です。
(この時代、同母きょうだい間での恋愛はタブーでしたが、異母きょうだいはOK)

 

宮中周辺で働く者たちのあいだでは

 

「天皇は、このごろ八田の若郎女に娶ひまして晝夜戲れますを。もし大后はこの事聞こしめさねかも、しづかに遊びいでます」

 

天皇はちかごろ、八田若郎女に昼も夜もベッタリだけど、皇后はこの事を知らないのかな? 平気で出掛けているね。

なんていう噂になります。

しかし吉備の国から労役に出てきていた男が、うっかり皇后チームの女官にこの噂を話し、これが皇后に知られてしまいます。

 

ここに大后いたく恨み怒りまして、その御船に載せたる御綱栢は、悉に海に投げ棄てたまひき。

 

これを聞いた皇后イワノヒメは当然、怒りました。
せっかく採ってきた木の葉を、全部海に投げ捨ててしまいます。

 

すなはち宮に入りまさずて、その御船を引き避きて、堀江に泝(さかのぼ)らして、河のまにまに、山代に上りいでましき。

 

さらに天皇が帰りを待っている難波の高津宮には戻らずに、川をさかのぼって山代国へと船を進めていきます。

 

すなはち山代より廻りて、那良の山口に到りまして、歌よみしたまひしく、

つぎねふや 山代河を
宮上り 吾がのぼれば
あをによし 那良を過ぎ
小楯(をだて) 倭(やまと)を過ぎ
吾が 見が欲し國は
葛城 高宮 吾家(わぎへ)のあたり。  

かく歌ひて還らして、しまし筒木(つつき)の韓人、名は奴理能美(ぬりのみ)が家に入りましき。

 

皇后は山代国を川伝いにぐるっと廻って、奈良山の入り口あたりで歌をうたいます。

山代川(淀川→木津川)を
宮に向かって上っていけば
奈良山を過ぎ
大和を過ぎ
私が見たい国は
葛城の高宮
私の家のあたり

と歌って、筒木(今の京都府綴喜郡)のヌリノミという渡来人の家に、しばし逗留しました。

生駒の神話 掲載の地図を使用して作成

 

要は天皇と一緒に住まっていた難波高津宮を出て、実家のほうに帰ってきたということなのですが、この歌を見てみると、どこか晴れ晴れとした気分も伺える気がします。

いろいろ不満も溜まってたんでしょうかね。
仁徳天皇の代になって進出した難波は、交易の要所とはいえ開発途中のジメジメした土地。対してイワノヒメの故郷である葛城高宮は、第2代綏靖天皇が住まった由緒ある土地でもあり、まあ昔から住みやすい土地ではあったんでしょう。

それに加えて仁徳天皇は、民が貧しいからと言って徴税を停止して自分もボロ家に住んだりしますから、奥さんとしては面白くないでしょう。
「やっぱ葛城の方がいいわぁ〜」と思うのは無理もなさそうです。

 

しかし、なぜ筒木のヌリノミの家に行ったのかは、よく分かりません。
地図で見る限りは、大和川を上ってまっすぐ葛城に帰るほうが近いようにも見えますが・・・

 

イワノヒメのお父さんである葛城ソツビコは渡来人との関係も深いので、ヌリノミもお父さんを通した知り合いみたいな関係性ではあったと思います。
当てつけに、私も手近な男と浮気をしてやろうというテンションだったのでしょうか?
それとも、実家を巻き込むほど大事にするつもりは無くて、ちょっと友達の家に泊まってみせるくらいのつもりだったのでしょうか?

 

天皇、その大后は山代より上り幸でましぬと聞こしめして、舍人名は鳥山といふ人を使はして御歌を送りたまひしく、

山代に
いしけ鳥山
いしけいしけ
吾が愛し妻に
いしき遇はむかも

 

サッパリとした気持ちでいるイワノヒメとは対象的に、仁徳天皇はテンパって鳥山という名前の使者をよこして

山代へ
追いつけ鳥山
追いつけ追いつけ
僕の愛しい妻に
追いついて歌を届けておくれ

なんていう白々しい歌を送ってよこし、さらに天皇自身、ヌリノミの家まで皇后を迎えに来ると言い出します。

 

ヌリノミ、使者、侍女らは面倒臭くなったのか「皇后様は、ヌリノミの家にいる珍しい虫(蚕)を見に来ただけですよ」と、適当な言い訳をしてゴマカします。

 

八田若郎女

そんな事件もありましたが、仁徳天皇はまだ未練たらしく八田若郎女にも恋文を贈ります。

 

天皇、八田若郎女に戀ひたまひて、御歌を遣したまひき。その御歌、

八田の 一本菅は
子持たず 立ちか荒れなむ
あたら菅原
言をこそ 菅原と言はめ
あたら清(すが)し女

 

八田の一本菅は
子供もいなくて、ひとりで立ち枯れてしまうのだろうか
惜しいことだ
この菅っていうのは
つまり美しいあなたのことだよ

 

これに対して八田若郎女は

 

八田の
一本菅は
獨居りとも
大君し
よしと聞こさば
獨居りとも。  

 

私は一人でも良いんですよ。
貴方様が幸せなら、私はひとりでも別に。

 

という、愛する人のために身を引くようにも見え、体よくお断りしているようにも見える歌で、スルリと逃げていってしまいます。

 

 

こうして見てみると、無邪気に女を追いかけ回している仁徳天皇に対し、周囲の女性たちは一枚上手なようにも見えます。

仁徳天皇に関しては「聖帝」っぷりを強調したかったはずなのに、この書きっぷりはちょっと妙です。

 

あんまり露骨な仁徳天皇アゲを命じる上に対して、編者がささやかな反抗をしたのか、あるいは「政治手腕は一流だけどプライベートはだらしない」というギャップ萌えを狙ったものなのか。

 

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Comments from NEMber
珈琲ねむりや
2019-05-29 08:52:34ID:121208

この連載はワロス重視で、できるだけディテールから想像力を膨らませたり、誇張したキャラ付けをしながら読んでるところはあるので、ワイドショーに近いですよねw
古事記は論理的破綻、矛盾、意味不明、荒唐無稽な箇所も多い書物なので「昔の人の知的レベルが低い」みたいに見えがちなところもあるんですが、本当のことをそのまま書けない立場にあって、後世の人が疑問を持ってくれるように計算して矛盾を残したんじゃないかとか、深読みしていくとどんどん沼にハマりますね。

やそ
2019-05-29 07:30:13ID:121186

政治家の発言切り取りとか、毎年の言葉とここが違ったとか、そういう話もよくニュースなどで聞きますが、
古事記の時代も書くからには何かしらの政治的意図があったと見るか、
それともその頃はそんなことなく楽しく適当に書いていたと見るか、
書物から昔のことを想像するのはいろいろな背景も想像されて面白いものですね。

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