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【数学】方程式の物語(後編)

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前回の記事の続編です。

中学生のときに、2次方程式の『解の公式』を習います。



『解の公式』というのは、係数 a,b,c の、足し算引き算掛け算割り算という四則演算
そして、√(ルート)のみを使って、「方程式の答え x はこれ!」と表される公式のことを言います。


3次方程式、4次方程式にも『解の公式』があります。
それらがどのような経緯で発見されたかを、前回の記事でご紹介しました。

今回は、その続きを見ていきましょう。



次は5次方程式だ



いろいろあったけど、3次方程式の解の公式が見つかった。4次方程式の解の公式もわかった。
人間とは欲深いもので、「じゃぁ次は5次方程式の解の公式を見つけたい!」と思ってしまいます。よね?

でも、5次方程式の解の公式は、どんなに頑張っても、当時の数学者は見つけることができませんでした。



この問題が解決されたのは、4次方程式の解の公式が発見されてから、約280年後のことでした。



ノルウェーの数学者アーベル、フランスの数学者ガロアが出した答えは、次のようなものでした:



定理5次以上の方程式には、解の公式が存在しない。



『がんばったけど解の公式が見つからなかったよー!』と言ってるわけではありません。
そもそもそんなものは存在しない、ということなんです。

2次方程式~4次方程式のように、四則演算と√(ルート)だけで方程式の答え(解)を表す
ことはできないんだよ!ということ。


上の定理は、ルフィニという人が最初に発表したのですが、その証明に間違いがあることが発見され、
アーベルがそれを修正し、完成となりました。なので、アーベル - ルフィニの定理と呼ばれます。

アーベルは、その業績を評価される前に、肺結核でこの世を去りました。26歳という若さでした。


それと同じ時期にこの問題に取り組んでいたのが、ガロアでした。

フランス革命の真っ最中に誕生したガロアは、15歳のときに、とある幾何学の本と出会い、
数学にのめりこんでいきます。ガロアはアーベルが上の定理を証明したことを知らずに、方程式の
研究をつづけました。

ガロアの研究方法は、「四則演算と√(ルート)だけを使って作ることができる数字」の全体と、
「5次方程式の答えになりうる数字」の全体を考えて比較し、「四則演算と√(ルート)だけ
では5次方程式の答えを表すのに不十分だよね」ということを示すものでした
(ざっくりした説明で申し訳ないっ!)。

この、「作ることができる数字の全体」を考えるという方法は、
「5次以上の方程式には解の公式が存在しない」ことを示すのに留まらず、
いろいろな定理の発見に繋がる革新的なものでした。例えば、


定理:『角の三等分線』は、コンパスと定規だけでは作図できない。


与えられた角を二等分する線(左の図の赤い線)は、コンパスと定規で簡単に作図できますが、三等分する線は、
コンパスと定規だけでは作図できません。


定理:円が与えられたとき、それと同じ面積を持つ正方形を、コンパスと定規だけで作図することはできない。




これらの定理も、「コンパスと定規で作ることができる角度、辺」の全体を考えることで、
「コンパスと定規だけじゃ、これらのことを達成するのに不十分だ」というふうに証明されます。

ガロアの理論は、方程式だけでなく、こういう「図形の定理」の発見にも繋がる、とても巨大な理論なんです。




と、ざっくりガロアの考え方を述べましたが、ちょっと曖昧で難しいですよね。
実は、その「理論の難しさ」ゆえ、ガロアは生きている間に、その業績を評価してもらえませんでした。


ガロアは19歳の時に、いったん研究成果をまとめて、論文を3本発表しますが、
それらは評価してもらえませんでした。評価されなかった理由は諸説あって、
論文審査員が論文を紛失した、とか、審査員が亡くなってしまったとか、
どれが本当か定かではありません。

翌年、ガロアは新しい論文を書き上げ、もう一度アカデミーに提出します。この新しく書かれた論文こそが
「5次以上の方程式には解の公式が存在しない」ことを含むガロアの巨大理論が記されたものでした。

なのですが、この論文も評価してもらえませんでした。

なんでかっていうと、難しすぎたんです。

論文を提出したら、それを審査員が読んで、内容が正しく、かつ面白いと評価されたものは、
論文誌に掲載されます。でも、ガロアの理論が前衛的すぎた上、証明も省略されていたりして、
審査員が正しく評価することができなかった。ガロアの論文は受け入れてもらえず、
「もう少し説明を加えて、わかりやすく書き直して欲しい」と言われて返却されました。





そしてガロアは、20歳という若さで、この世を去ることになります。


論文を提出した年の5月30日。ガロアは決闘を申し込まれました。決闘、つまり殺し合いです。

決闘の理由は諸説あるみたいですが、有力なのは、恋敵との決闘であったというものです。
ガロアは、闘いの中で銃弾を受け、腹膜炎で亡くなりました。


決闘の前夜、自分が作った理論の重要性に気づいていたガロアは、友人に手紙を書き、今までの
自分の発見を伝えました。そして、アカデミーから返却された論文を大急ぎで修正しました。

論文には、『この証明を完成させる方法があるが、私には時間がない』という書き込みが残されてい
たそうです。`時間がない'。おそらく、明日、自分が殺されることをわかっていたんだと思います。

明日死ぬことをわかっていながら作り上げられたガロアの論文は、彼の死後、著名な数学者の手元に渡り、
ついにはその内容を理解する人も現れました。

彼の理論をわかりやすく整理するために、「群(ぐん)」、「体(たい)」といった専門用語も作られました。

(この「体(たい)」というのが、「作ることができる数字の全体」を表すものです。)

今では多くの大学で、「ガロア理論」という名のつく授業が展開されています。

ガロアがいなければ、きっと今の数学はもっと遅れていたものになっていたと思いますし、
彼が決闘で命を落とさずに研究を続けていれば、今の数学は全く違ったものになっていたと想像します。

以上、『解の公式』をめぐる、方程式の物語でした。



注意)「『解の公式』が存在しない」というのは、方程式の答えを係数の四則演算+ルート
で表すことができない、ということを言っています。だから、四則演算やルート
以外の新しい関数を定義すれば、5次以上の方程式の答えを表す「必勝法」は作れる可能性はあります。
(実際、もう作られているようです。)

 


参考文献

・加藤文元、「ガロア」

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Comments from NEMber
やってみよう
2019-07-07 21:57:59ID:131121

>>オシラス::さん

コメントありがとうございます!
20歳は若すぎますよね。本文中にも書きましたが、もし彼が長生きしていたら、
今の数学や科学はどうなってたんだろうって想像してしまいます(^^)

オシラス
2019-07-07 19:34:44ID:131062

文系でした。二次方程式すら解けないかも。
数学ができる方尊敬します!20歳の若さとは本当に惜しいです!

やってみよう
2019-06-16 12:16:56ID:126148

>>やそ::さん

本当ですよね。人から恨まれたり、病弱だったり。
特に、昔はその傾向が強かった気がします。

やそ
2019-06-16 06:30:28ID:126061

天才ってなんで早死するんですかね?

やってみよう
2019-06-16 03:32:58ID:126054

>>YUTO::さん

確かに、夢がありますよね!確か5次方程式については、楕円関数っていう(四則演算とルートでは表せない)関数
を使うと、解を表す公式を作れるみたいです。2次~4次方程式の解の公式とは比べ物にならないくらい
複雑なものになりますがw

>>7zoesan::さん

ありがとうございます。
仰る通りで、最近だと 2012年に 望月新一 さんという方が「宇宙際タイヒミューラー理論」という全く新しい数学の理論を
構築なさったのですが、当初は他の研究者が内容を理解できず、最近になって、ようやく理解した人が出始めた、という
状況みたいです。

YUTO.nem
2019-06-15 22:50:03ID:125997

n次方程式の解の公式を見つけられたらいいなと感じます!!
それを見つけるだけでも、次のドラマになりそうです!!

7zoesan
2019-06-15 22:41:13ID:125992

物語も含めて面白かったです!天才は天才ゆえに人が追いつくまでに時間がかかりすぎるのですね。

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