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「宝くじの当選と幸福度」の話

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2019-08-13 22:52:20
「宝くじの当選と幸福度」の話

明日はいよいよサマージャンボ宝くじの抽選ですね。

FiFiC✕NEMBERS4の抽選の方は集計作業がお盆休みに入っているため、抽選番号は確定していますが、抽選結果については次週にまとめて発表させてもらいます。

 

さて、にわか投資家であっても宝くじに投資をするのは愚の骨頂、宝くじは確率論で考えてもほぼリターンのない負け投資だということは重々承知なのですが、今回、久しぶりにサマージャンボ宝くじを買いました。

 

宝くじを買った理由は以前、nemlogで記事にしたのですが、7月に仕事で円山球場に行った際に、たまたま母校の試合に当たり、後輩の打ったファールが場外へ、見事に私の車のフロントガラスを直撃したのでした。

円山球場は昨年からファールボール対策でネットを張っていたのですが、ネットの張っている場所が空いておらず、ネットの張ってある場所からわずかにずれた場所に停めての直撃にもう笑うしかありませんでした。

 

その後、母校は勝利し、私はこんな「当たる」日はないと思い、その足で宝くじ売り場へ直行してサマージャンボ宝くじを購入したのでした。

 

バラで購入したから当たっても一等か前後賞どちらかですね。

当たれば5億円!!

購入してからの数週間はさまざまな当たった後を想像しながらぐふふな毎日を過ごしておりましたが、実際に当たったらどうなってしまうのか、やはり人生が変わってしまうような怖さもあるわけです。

 

現実には当選している人もいるわけであり、最近では末路本なども流行っておりますが、実際に宝くじに当たった人は幸福になるのか、都市伝説のような不幸な末路を辿るのか、今日は宝くじの幸福論について考えてみたいと思います。

 

宝くじの幸福度調査

 

1978年、社会心理学者フィリップ・ブリックマンは宝くじに当たった人びとが幸福なったかどうかを知る目的で研究を行い、22人の宝くじ当選者の質問をしました。

22人の当選者の平均当選額は50万ドルでそのうち7名は100万ドル以上の当選がありました。

「宝くじが当たったのちどれほど幸せになりましたか?」いったストレートな質問に対しては「以前よりはるかに幸せになった」と回答した人が大多数を締めていました。

しかし、それから約1年後に同様の対象者にコンタクトをとり先の質問を繰り返したところ「幸福度は全体として変わっていない」との回答が多く、無作為に選ばれた非当選者の幸福度と有意差がなかった結果となりました。

当選者たちは当選によって旅行をしたとか、新車を買ったとか、家を大きくしたなどといったことがあったと思いますが、そうした日々の暮らしの変化は幸福度にはあまり影響しないことがこの研究ではわかりました。

さらにブリックマンらは交通事故で手足が不自由になった29人に対しても同じ質問をしたところ、事故直後は「恐ろしいほど不幸で希望も失った」と回答しましたが、1年後の彼らの日常的な満足度は、無作為に選ばれた非事故者のそれと、有意差がありませんでした。

この結果から、宝くじや交通事故などの思いがけない出来事が日々の幸福や不幸に与えるインパクトは直後には大きいものの、時が経つにつれて、日々の出来事に注意が分散し、「適応」するため、幸福度には影響しないことがわかりました。

 

注意の焦点化

 

人は作業や判断を行う際に示された刺激をいち早く検出し、その意味を捉えようとしますが、その際に特定の部分に対して注意を集中させると、その他の部分に注意が向かなくなる傾向があります。

このことを注意の焦点化効果といい、先の例では宝くじの当選というインパクトある出来事に焦点が当たると、それが幸福全体に及ぼす影響の大きさを誇張して考えてしまい、日々の小さな出来事や幸せに注意が向かなくなっている状態といえます。

これはお金や健康についてもいえることで、仕事や環境にも当てはまることをカーネマンとデイヴィッド・シュケードによる「カリフォルニアに住むと幸福になるか、生活満足度の評価における注意の焦点化錯覚」という調査で示したました。

研究はカリフォルニア州とオハイオ州に住む学生1000人に、自分の幸福度と、どちらかの州に住む同年代の学生が感じるだろう幸福度について質問がされました。

暖かくて温暖な気候にいるカリフォルニアの学生の方が満足度が高いと仮説立てられましたが結果はどちらの州の学生も生活満足度は有意差がでませんでした。

このような結果はお金を扱ったものでも同様であり、幸福度と年収が相関するのは700万程度までで、それ以上になっても幸福度とは相関がみられません。

国内総生産の増加と幸福度も相関はなく、景気動向研究センターの所長、リチャード・レイヤードは幸福度に影響を与える要素として隣人との信頼感、社会組織への参加、失業率、離婚率、政治の質、信仰を挙げています。

多くの人がたくさんのお金を欲しがるのは、お金というインパクトの強いものに注意が惹きつけられ、お金が幸福に及ぼす影響を大きく見積もりすぎているということが「注意の焦点化」というメカニズムで説明することができます。

 

まとめ

 

たとえ私が1等を当選したとしても私の幸福や不幸に与える影響は少ない。

したがって当選を恐れる必要はない。

むしろ当たったら何しようかなぁと想像を膨らませている時間が幸せだったりする。

そんな時間を楽しめるなら多少であれば宝くじへの投資も悪くはないと思う。

 

「人生で、そのことを考えるまさにその瞬間に貴重だと思えるものほど貴重なものはない」

行動経済学者 ダニエル・カーネマン

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

参考図書:

マッテオ・モッテルリーニ「世界は感情で動く 行動経済学からみる脳のトラップ」

 

 

 

この記事を書いた人
北海道で理学療法士兼スポーツトレーナーとして活動しています。 これまでの臨床経験から得た気づきや学びに関すること、 日々の読書の備忘録など、徒然なるままに健康と幸福と自身の人生観についてアウトプットしていきたいと思います。 NEMはあまり関係ないことが多く、申し訳ありません!! ツイッターもはじめましたので、よかったらフォローお願いいたします。