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【古事記入門】その6:スサノオ

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珈琲ねむりやです。

 

今回の主人公は、日本神話界きっての問題児、スサノオです。

前回・前々回でも出番が多かったのでもうお馴染みかもしれませんが、今回は彼の一番の見せ場である、ヤマタノオロチ討伐のエピソードを中心にご紹介していきます。

 

 

クシナダヒメとの出会い

天の岩戸事件を引き起こした責任として、高天原を追放されたスサノオは、出雲の国の肥の河(現在の島根県斐伊川と言われる)に降り立ちます。

そこで、老爺に老婆、そして若い女性が3人で泣いているのに出会いました。

 

は國つ神大山津見神(オオヤマツミノカミ)の子なり。僕が名は足名椎(アシナヅチ)といひが名は手名椎(テナヅチ)といひ、女(むすめ)が名は櫛名田比賣(クシナダヒメ)といふ」とまをしき。
また「汝の哭く故は何ぞ」と問ひたまひしかば、答へ白さく「我が女はもとより八稚女ありき。ここに高志八俣大蛇、年ごとに來て喰ふ。今その來べき時なれば泣く」とまをしき。

 

「国つ神」というのは、地上で生まれた神のこと。対義語は「天つ神」です。

オオヤマツミはイザナギとイザナミの神生みで生まれた、山の神ですね。→ https://nemlog.nem.social/blog/2331

 

アシナヅチ、テナヅチ夫婦にはもともと8人の娘がいましたが、ヤマタノオロチが毎年現れては娘を食べていってしまい、まもなく最後に残った娘であるクシナダヒメも食べられてしまうとのこと。

 

これを聞いたスサノオは、
「私は天照大御神の弟であるぞ。助けてやるから、娘を私の妻によこしなさい」
と言います。

 

 

ヤマタノオロチとの戦い

ここに速須佐男の命、その童女湯津爪櫛(ゆつつまぐし)に取らして、御髻に刺さして、その足名椎、手名椎の神に告りたまはく、「汝等八鹽折(やしおり)の酒をみ、また垣を作り廻し、その垣に八つの門を作り、門ごとに八つの桟敷をひ、その桟敷ごとに酒船を置きて、船ごとにその八鹽折の酒を盛りて待たさね」とのりたまひき。

 

まずスサノオはクシナダヒメに櫛のすがたを取らせ、髪に挿します。

櫛というのは、昔から魔除けの効果があると考えられていたらしいです。

クシナダヒメの名前は「櫛」と「奇し稲田(素晴らしい田んぼ)」のダブルミーニングですね。

 

次にアシナヅチ、テナヅチに命じて垣根を作らせ、そこに八つの門を作り、それぞれに桶いっぱいの酒を置きました。

 

「八塩折の酒」というのは、何度も絞って醸した濃厚なお酒です。

今、これを再現して作っている酒蔵さんがあるようです。飲んでみたいですね。

http://www.kokki.jp/yashi4.htm

 

かれ告りたまへるまにまにして、かくけ備へて待つ時に、その八俣大蛇信(まこと)に言ひしがごと來つ。すなはち船ごとにが頭を乘り入れてその酒を飮みき。ここに飮み酔ひて留まり伏し寢たり。

ここに速須佐の男の命、その御佩(みはかし)十拳剣(とつかのつるぎ)を抜きて、その蛇を切りりたまひしかば、の河血に変りて流れき。

かれその中の尾を切りたまふ時に、御刀の刃毀(か)けき。ここに怪しと思ほして、御刀のもちて刺し割きて見そなはししかば、都牟羽(つむは)の大刀あり。かれこの大刀を取らして、しき物ぞと思ほして、天照らす大御神に白し上げたまひき。こは草薙の大刀なり。

 

ヤマタノオロチは予告どおりやって来ましたが、美味しそうな酒があったのでガブガブと飲んで、そのまま酔って寝てしまいました。

 

スサノオはそこを、持っていた剣で切り刻んでしまいました。肥の河は血で真っ赤に染まりました。

 

さて、オロチの尾を切っているときに、中に何か固いものがあって、刀の刃が欠けてしまいました。

不思議だと思って刀の先っぽで切り開いてみると、中から都牟羽(つむは)の大剣が出てきました。(都牟羽の意味はよく分かっていません)

 

これは珍品であると思い、スサノオはこれをアマテラスに献上します。これが三種の神器のひとつとして伝わる草薙の剣です。

 

 

八雲立つ

さてここまで荒々しい活躍を続けてきたスサノオですが、エピローグは妙にほのぼのとした一段です。

 

かれここを以ちてその速須佐の男の命、宮造るべきを出雲の國にぎたまひき。ここに須賀の地に到りまして詔りたまはく、「吾此地に來て、が御心清淨(すがすが)し」と詔りたまひて、其地に宮作りてましましき。

かれ其地をば今に須賀といふ。この大神、初め須賀の宮作らしし時に、其地より雲立ち登りき。ここに御歌よみしたまひき。

 
クシナダヒメをお嫁さんにもらったスサノオは、出雲の国で、新居を作る場所を探します。
やがて気持ちの良い場所を見つけ、すがすがしいからその場所を「スガ」と呼び、新居が出来上がったとき、その地からはもくもくと雲が立ち上りました。
 
そこでスサノオは歌を詠みました。
 
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

 

意味を取るならば「雲の立ち上る出雲の国で、だいじな妻と暮らすために、垣根のある家を作ったよ」というところでしょうか。

 

スサノオらしいと言えばスサノオらしい、技巧も何もない、1ミリも頭を使っていないような歌です。
しかしそれだけに、これから妻との幸せな日々が続くんだなという、穏やかな喜びで胸がいっぱいな様子がよく伝わってきて、好きな歌です。

 

 

まとめ

 

以上、スサノオのエピソードでした。

とりあえずは一段落ですが、しかし今後もちょくちょく登場します(笑)

 

次回からはオオクニヌシです。お楽しみに。

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