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「迷惑」な話

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「迷惑」ってなんでしょうか?

デジタル大辞泉で「迷惑」を調べると、

1.ある行為がもとで、他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること。また、そのさま。
2.どうしてよいか迷うこと。とまどうこと。

本来の漢字の意味だと2何でしょうけど、ほとんどは1の意味で使っていることが多いと思います。

 

迷惑と感じる閾値は人それぞれだと思います。

若いときは迷惑だと思っていたことも、自分が親になり、小さな子を持つようになって変わることもあるでしょうし、逆に子育てが終わってから以前許せたことが許せなくなったケースなどもあるかもしれません。

迷惑の閾値は決まっていないし、どこまでが迷惑で迷惑ではないのかは非常に難しい問題だと感じます。

 

さて、日本の国民性はどうなのでしょうか?

世界にはルールやしきたりにうるさい国とそうでない国とがあります。

米国、メリーランド大学の比較文化心理学教授のミシェル・ゲルファンドらは33カ国・地域の約7000人を対象に調査を実施して、文化ごとのタイトさを測ったところ、日本のタイトさは上位8番目であり、電車の時刻が正確で街頭の時計も正確。ルールにも厳格で、組織的な行動を得意とする典型的なタイト文化であるとされています。

逆に米国や豪州、ブラジルなどはルーズであるとされています。

これらの結果を科学的な手法で分析すると、各国にかかる「脅威」の差があったとされます。

つまり、国が経験した脅威が大きいと文化がタイトになる傾向が見られるとのことでした。

その他の実験においても人間は脅威を感じると、より秩序だった組織を求めるといいます。

 

脅威には地震などの天災、戦争などの人災、高い人口密度などが含まれます。

このように見ますと日本はすべて当てはまっていますよね。

さらに、日本は災害などの影響が大きい上に人種的、民族的な同質性が高いこと、移動の範囲が限られていることもタイトさに繋がっているようです。

それぞれの文化にはもちろん一長一短はあり、タイトな文化は秩序があってコントロールしやすいといった良い面もあります。

特に東日本大震災などの大災害があったときには日本の文化の良い面が出ており、震災直後の秩序立った道徳的な行動は世界にも衝撃を与えていました。ルーズな文化を持つ国では社会的な調整力に欠ける面があり、あのような大災害を前にすると大混乱を起こすだろうと言われています。

 

しかし、最近はこのタイトさを求める人達が以前よりも増しているように感じます。

つまり「不寛容」さが目立つようになってきたと感じることが多くなってきました。

上記の理論で言えば「脅威」を感じる人達が増えてきているということでしょうか?

東日本大震災という未曾有の大災害を目の当たりにしたこと、広がる格差、もともと同質性の高い社会に多様性を求めるようになったこと、ジェンダーの問題、SNSでの炎上、情報量の爆発・・・人がどのようなことで「脅威」を感じるのかはそれぞれですが、「脅威」を感じる要素はたしかにここ数年で増えているような気がします。

 

幼い頃、母親には「人様に迷惑をかけるな」と言われていた気がします。

今思えば「迷惑」ってすごく抽象的な言葉で実際はよくわかりませんよね。社会のルールを守れってことだろうけど、社会のルールも誰のためのルールなのかによって随分意味合いが変わってきます。

私も自分の子にも「人に迷惑をかけない子」に育って欲しいと思っていたことがあり、人に迷惑をかけないのであれば好きなことをしていいと思ってましたが、でも、やっぱりこれっておかしいことかなって最近は思います。

だって誰にも迷惑をかけていない人なんていないですもんね。

生きているだけで誰かには迷惑をかけています。もっと地球規模、生物全体でみれば、人間なんて迷惑そのものだともいえます。

だからこそ、謙虚になること、人の迷惑にも寛容になること、自分の迷惑に責任をとること、つまるところ「うまく迷惑をかけましょう」が大切なのだと思います。

今なら「うまく迷惑をかけれる子」であって欲しいし、「自分の好きなことしたいなら、上手に迷惑をかけれるようになりなさい」と言ってあげたいな。子の迷惑ぐらい受け入れてあげられる親でありたいものです。

 

先にも述べたように「迷惑」っていう言葉時代が非常に抽象的で、その主語も目的も分かりづらい面があります。

そして先に声に出して言ったもん勝ちなところがあります。

日本は同質性が高い国民で、以前なら「暗黙の了解」の価値観を共有できる社会だったために「迷惑だからやめて」の一言で伝わったのですが、文化や価値観がどんどん多様化、グローバル化していく中で、すでに「暗黙の了解」は崩壊しつつあります。

だから「迷惑」という抽象的で曖昧な表現では互いの理解を得ることは難しく、衝突が生まれるのです。

一方で、価値観を共有する人たちの間では思考停止に陥っている場面も多くあります。

「茶髪禁止」や元から茶色い髪の人の「地毛証明書の提出」といったブラック校則もそうですが、なにが問題なのか、そのルールは本当に必要なのかを真剣に議論して、誰のためのルールなのか、目的は何なのかをはっきりさせる必要があると思います。

 

昨年末の話ですが、私が有給を利用して、スポーツ競技の海外遠征の帯同をした際に、上司(事務長)にこんなことを言われました。

「来年からその仕事を受けるのはやめたらどうか、きっと残された人たちの中にはそれを面白く思わない人出てくる、それは組織にとっては良くない」

はっきり言えば、みんな忙しいのに、一人で長期の有給とって、迷惑かけて、海外行って楽しい仕事しているのは不公平だろうってことです。

まさに「思考停止」状態じゃないですか?

誰のための「暗黙の了解」なのかまったく理解できませんでした。

ここで衝突しても仕方ないので「やめません」と一言伝えました。

この仕事によって普段の仕事のモチベーションは上がってますし、むしろ、この仕事をするための休みを気持ちよくもらって、みんなから気持ちよく見送ってもらえるように1年間過ごしてきたのですから、自分の「迷惑」に責任を取ってきた自負はあります。

それがあるのであれば堂々と休めばいい、みんなにもそのように言ってあげたいと思います。

ここで私が萎縮すれば、もう誰も好きなことに有給を使えなくなってしまいます。

みんなが有給をあまりとらないことの理由に、「同僚たちの仕事が増えて迷惑だから」「患者に迷惑がかかるから」とか言うのですが、でもよく考えると、そうやって有給をとらなければ、周囲もとりにくくなり、長い目で見ればそのほうが「みんなに迷惑がかかる」わけです。木を見て森を見ず、

どっちがより迷惑なんだ、という話です。

産休や育休、長時間労働をめぐる議論でも、同じことが言えるのではないでしょうか。

 

長くなってしまいましたが、こどもの声がうるさいと保育園に苦情がくる問題、保育園の設置に反対する住民、ボール投げ禁止の広場、公園、子供お断りの飲食店、除雪の騒音への苦情 etc・・

今一度何が問題で、誰のためのルールなのか、誰が迷惑なのか、落としどころはないのか、「迷惑」といった言葉で片付けることなくしっかりと議論していく必要があるのと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

参考・引用

GLOBE2/2 February 2020 No.226

https://globe.asahi.com/

 

 

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Comments from NEMber
7zoesan
2020-02-16 08:59:40ID:174004

>>Toyo::さん
コメント、投NEMありがとうございました!
議論のきっかけになれば幸いです!

Toyo
2020-02-16 05:28:56ID:173979

この様な題は世界中で議論すべきものですよねb素晴らしい

7zoesan
2020-02-12 13:22:05ID:173267

>>物愚者::さん
そのとおりですね、根本的には島国ニッポン閉鎖的でタイトな民族なんだと思います。インターネットねっとで垣根がなくなったいま、その文化を維持することはもはや不可能だとも思います。いまは移行期で色々と衝突もあると思いますがよい落とし所があればいいですね。
老害と言われないようにわたしも「思考」しなければ。

7zoesan
2020-02-12 13:02:25ID:173259

>>キルケ::さん
多様性を受け入れることができるほど心の準備ができてないのが実際ですよね。
たしかに不寛容の方が目立つようになったとわたしも思います。
こうしてコメントしていただくだけで「思考停止」には落ちてないのでご安心を!
ありがとうございました。

7zoesan
2020-02-12 12:58:39ID:173258

>>matsuno::さん
そのとおりだと思います。
迷惑の中身をはっきりさせた上でお互いの利益を提示してもちつもたれつの関係ができればいいと思うのですが現実はなかなか厳しいですね。

7zoesan
2020-02-12 08:28:48ID:173217

>>やそ::さん
そうですね、そのような感覚を持つことが大事だと思います。まぁ求めるレベルは高く、それもまた難しいのですが。

7zoesan
2020-02-12 08:25:54ID:173215

>>さらみん::さん
働き方改革といっても長年蓄積された文化はなかなか根深いですよねー、意識が変わるのはもう少し時間がかかりそうですね。

物愚者
2020-02-11 23:02:11ID:173157

確かに、震災後に絆や団結のような言葉が以前にも増して飛び交ったり、専業主婦志望の女性が増えたりしたという話を聞きましたね。

しかし、一般的にタイトとされる「一億一心火の玉」的な規範を全体に強要していた民族が戦後、急に民主主義だギブミーチョコレートだと言い出したことから考えると、仮に今のまま「ルーズな文化」が表面的に流行したとしても、それを押し進める原動力として病的にタイトな文化的特性が隠れてると思えて仕方ないんですよね(山本七平の空気の研究などを参照していただければと)。

極端な規範意識の現れ方が大和魂から働き方改革に変わっただけみたいな。

自然なままもっとルーズになれないものなのか...?

キルケ
2020-02-11 14:35:15ID:173096

「うまく迷惑をかけましょう」にはすごく賛成ですが、現実は難題ですよね~
「多様性」を広げるアピールを世界規模でしてますが、私には「不寛容」の方が、進んでいる気もしますし。
考えれば考えるほど、この件については、私は「思考停止」になりますw

matsuno
2020-02-11 08:46:35ID:173038

なるほど。腑に落ちます。
最近思うのは、抽象的な言葉というのは過去造詣が深かった日本人の為の言葉であったように感じます。
神様に荒魂、和魂の両面のありようを神の一言で両面を理解できたのに対し、現在は神=何か都合の良い物ととらえてしまうので、
抽象的な単語を使うと齟齬が生まれる時代ですね。個人的には対人関係のめんどくさい要因の一つですが。
迷惑という言葉も、上司、経営者、それぞれ自分の都合が良く利益が出るように解釈していますよね。
日本の文化には利益を得ることは表面上悪いことだ!という特徴がありますが、
私が利益を得て周りに迷惑かけたかもしれないけど、その分あなたの迷惑も許容するから一緒に利益を極大化しよう!の方が健全に社会が育つのだろうと思いました。

NEMber who posted this article

北海道で理学療法士兼スポーツトレーナーとして活動しています。
これまでの臨床経験から得た気づきや学びに関すること、
日々の読書の備忘録など、徒然なるままに健康と幸福と自身の人生観についてアウトプットしていきたいと思います。
NEMはあまり関係ないことが多く、申し訳ありません!!

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