
同意がないと取り消せないのですね。期間限定にして、その都度毎のパーミットみたいにする事ができるのか。
とても良くわかりました。想像が膨らむ情報をありがとうございました!
細胞の存在証明(=移動記録)をするShizuiNetの基本的な仕様を説明しながら、サラリとSymbolで組み立てていくシリーズ3回目は、「メタデータ」です。今回からいきなり難しくなりますが、どうかお付き合いください。
「誰が 誰に 何を どうした」
前回、歯髄細胞を送るという意味の、「どうした」に相当するモザイクshizui:transferを作りました。今回は「誰」についてです。NEM HUBの、Symbolの新機能を紹介しようというタスクですので、Symbolドキュメンテーションの中から使えそうな機能を探してみました。それが、メタデータです。
ShizuiNetは、仕様やアイデアを積極的に公開することで信頼を得るパブリックドメイン方式を採用しています。Satoshi Nakamotoが匿名で出した論文によって、ブロックチェーンという技術がそうなったように、公開され公知となった技術には特許権が生じません。誰もが自由に使え、利益を独占するのが難しくなるのです。これまでの産業が知的財産権によって得られる独占的な先行者利益を求めてきたのに対して、ブロックチェーンはノウハウと実力で勝負する世界と言えるでしょう。誰がそのアイデアを先に考えついたかではなく、そのアイデアをどう利益に結びつけるかのほうが大切な時代になったのです。
しかし、欠点もあります。誰でもアカウントを作り、モザイクを作って、ShizuiNetのコピーをいくらでも作れてしまうのです。しすいネットとか、しんずいネットとか現れて、似たような名前のモザイクをまき散らかされたら、紛らわしいことこの上ないですよね。そこで、ShizuiNetに正式に参加する企業や医療機関などのアカウントには、しずい細胞研究所から証明書を発行します(本来なら公的機関の方が良いのですが、それはまだ先の話)。トランザクションを発行したアカウントが証明書を持っているかどうかで、簡単に他のトランザクションから区別し、正式なものであると証明できるようにする。それがメタデータの役割です。
さて、メタデータ付与は、まだSymbol Desktop Walletではサポートされていませんので、symbol-cliというツールを使います。インストールその他は、開発者向けですので、一般の人はSymbol Walletが対応するのを待ちましょう。バグっぽい動作も多いです。
symbol-cli transaction accountmetadetaというコマンドで、他のアカウントにメタデータをくっつけることができます。
すると、勝手に10XYMが人質に取られて、480ブロック=約2時間、トランザクションがロックされます。
ウォレットで見ると、こんな感じになって、未完成トランザクションになっていることが分かります。この状態ではまだブロックチェーンには書き込まれていません。
トランザクションの詳細を見てみると、アグリゲートボンデッドのパーシャル(未完成なアグリゲートトランザクション)になっているのが分かります。
では、どうすればこの状態を脱出して10XYM取り返せるのかというと、認証される側のアカウントでの作業が必要になります。それも2時間以内に。でも、こっちはウォレットで作業できます。認証される側のアカウントのウォレットでも上のように、未完成トランザクションが表示されます。
そして、詳細を見ると、パスワード入力を求められます。ここでパスワードを入れて確認すると、、、、
トランザクションが承認済みになって、ブロックチェーンに刻まれました。これで、認証完成です。アポスティーユに比べると、認証番号発行程度なら随分と簡単にできるようになりました。念のため、ブロックチェーンエクスプローラーで確認してみましょう。
アカウントの詳細画面で、エクスプローラーを開くをクリック。
ちゃんと登録されています。メタデータはブロックチェーンデータなので、改変などはできません。その代わりに新しいメタデータを登録して、上書きのようなことができるようになっています。認証の取り消しも、番号を000000にして上書きすることで可能です。
Symbolでは、メタデータを利用することで、特定の企業や医療施設にのみ、有効なトランザクションを発行する権利を与える事ができるようになりました。
豆知識:480ブロックというのは、Symbolブロックチェーンがフォークした場合に巻き戻すことができる最大ブロック数です。この間、トランザクションは未完成トランザクションキャッシュに入っているので、受領者による承認がなければ、このメタデータは自動的に無効化されて消えてしまいます。ファイナリティ問題ともからんでくるので、この機能はまだShizuiNetでは正式には採用していません。でも、再生医療に関わる企業が登録するFIRMという組織や、再生医療学会が認証するような形に持っていければ、世界が変わり始める、、、はず。
目指せ北海道
同意がないと取り消せないのですね。期間限定にして、その都度毎のパーミットみたいにする事ができるのか。
とても良くわかりました。想像が膨らむ情報をありがとうございました!
取り消す手続きも、同じアグリゲートトランザクションなので、受領者側の承認が必要でした。一方的に承認を取り消す事はできないので、その代りに期間を示すメタデータを追加で付与しておくという事もできると思います。
取り消す場合も受領者の承認が必要ですか?それとも認証発行者が一方的に行えるのでしょうか?